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2005/10/15

逃げ出したアリジゴク

ソニー教育財団は、
「ソニー幼児教育支援プログラム」
を実施しており、
 その「優秀プロジェクト園」に
選ばれた金沢の大野町保育園に
 伺った。

 大野町保育園は、海岸沿いの松林の中にあり、
子供たちが風をつかまえようと林の中を
かけていった。

 私はしばらくその様子を見た後、
ふらふらと一人で見晴らしの丘の方に
歩いていった。

 足もとを見ると、アリジゴクの巣が
沢山ある。関東では寺社の軒下など、
雨が当たらないところにあるが、
ここは吹きさらしである。

 巣の一つにアリを落としたら、
アリは一瞬のうちに這いだしてきてしまった。
 アリではダメかと、ダンゴムシを
落としたら、
 予想外のことが起こった。

 アリジゴクが驚いて、巣の中から
逃げ出してしまったのである。

 アリジゴクは、「ああ、びっくりした」
とでも言うように、近くの草むら
まで駆けると、そこで後ずさりして
土の中に潜り込んだ。

 ちょっと失礼して、アリジゴク君を
外に出てもらって撮影した写真が
これである。

 立派な個体で、関東で軒下に
巣をつくるやつよりも「鬼」のように
見える。

 獲物が来てアリジゴクが逃げ出す
などという事態は想定していなかった。 
 これだから自然は面白い。
 人間の脳の前頭葉は、想定した
文脈以外のことが起きる時に
その真価を発揮するが、
 考えてみれば、文脈外のことが
闖入することなど、
 自然の中では日常茶飯事である。

 アリジゴクの巣を見ている時、
突然バッタが飛んできたびっくりした
のもまた文脈外。
 いつの間にかアリジゴクの視線で
見ていて、
 その巨大さに驚愕した。
 
 文脈ダイナミクスへの適応は
何も人間の専売特許ではない。
 アリジゴクを見ていたらそのことを
思い出した。

 体育館で、
 「子供たちの脳を育む」というタイトル
で講演。

 宝生寿司で打ち上げ。ユニークな園長先生。 

 帰りの飛行機の中でも、ずっと
アリジゴクのことを考えていた。

 金沢入りしたのに、21世紀美術館には
行けなかった。
 田森佳秀にも会えなかった。
 アリジゴク君の想定外に比べれば、大した
ことではないが。

10月 15, 2005 at 10:09 午前 |

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想定した文脈 この『想定した文脈』ときいて“ピン!”とくる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか? 自分流に表現すれば、『“こうアクションすれば、ああなる”と言う流れ』とでもいいましょうか。。。 知ら...... [続きを読む]

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コメント

びっくりしました。田舎出身なのに・・・。
夢に出てきそうです。

投稿: 律 | 2005/10/16 3:58:12

今晩は。
金沢でアリジゴクと対面されたとのことですが、よもやアリがアリジゴクの巣からさささっと逃げ出すなんて。ましてやそのアリジゴク君が今度はダンゴムシに驚いて、自分から逃げ出すなんて…。なんというサプライズ。私も記事を読んで仰天しました。


写真を見たら凄まじい恐ろしげなすがたをしているのにねェ。

きっとそのアリジゴク君は、普段から小心者だったのかもしれませんね(笑)

投稿: 銀鏡反応 | 2005/10/15 19:52:46

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