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2005/09/16

専門性を社会に活かす

 午前10時、霞ヶ関の東京家庭裁判所。
 調査官の方々の勉強会に呼んでいただいたのだ。

 ちょうど、調停が始まる時間だということで、
エレベーターは混んでいた。
 人生の重大な分岐点が決まっていく、
当事者にとっては忘れられない朝になるのだろう。

 記憶、感情、コミュニケーションの
問題を中心にお話する。
 質疑応答の時から感じていたが、
調査官の方々の専門知識はかなり高度の
もののようだった。

 終了後、三人の調査官の方々と食事を
しながら懇談。
 調査官は、少年事件ならば、なぜ少年が非行に
至ったのか、様々な心理テストなどを
駆使して明らかにしようとする。
 「心の理論ですけどね、サリーとアン課題よりも
さらに高次の心機能を測定する・・・・」
などという会話が飛び交う。
 「バウムテスト」は初めて知った。

 学部時代、臨床心理を志していた
友人が、将来は家裁の調査官になりたい、
と言っていたことを思い出した。
 人の心の不思議な働きに対する学問的
興味を実際に社会に役立つ形で活かすことが
できる、
 やりがいのある仕事なのだろう。

 調査官の方々と別れて歩く日比谷公園を
渡る風はさわやかだった。

 研究所に到着。
 定例ミーティングで、
先日European Conference for Visual Perception
で発表したone-shot learningの内容について
議論する。
 所長の所眞理雄さんがいろいろ鋭いことを言う。
 所さんは、もともと
慶応大学のコンピュータサイエンスの
教授をされていて、ソニーコンピュータサイエンス
研究所をずっと運営されてきた。

 「ぼくの場合、
夜寝る前に、考えなければならないことを
全部頭にインプットしておくと、寝ている間に
それがちょうどうまい具合に整列して、
整列し終わると、脳が起こしてくれて、
目覚めるとあとはもう順番に書くだけ
になっているだけど。みんなそうでしょう?」
 と所さん。

 はあ、と一同呆然とする。
 そういう方が所長をされている研究所に
私はおります。

 柳川透の最新のシミュレーション結果を
説明してもらう。
 ongoing dynamicsにおけるupstateの
time courseの詳細が面白い。
 神は細部に宿る。シミュレーションは、
いわば拡大鏡である。

 原宿のダイヤモンド社へ。
 ダイヤモンド・マネッジメント・ネットワークの
勉強会でお話する。
 聴衆は、企業のデザイン部門の方々。

 お話を終えて歩く表参道は、なぜか
少し歳末の匂いがした。
 一日中仕事に追われる日々も、
それなりにありがたいものだと思った。

 居酒屋の小僧さんのように、働きづめ
でもいいじゃないか。 
 自分の専門性を社会に活かす。
 昔は盆暮れ一日ずつしか休日がなかったんだから。

9月 16, 2005 at 07:36 午前 |

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