« 美術セミナー「おとなの科学―美術の解剖学」 | トップページ | 缶バッチ »

2005/09/10

指人形

今朝はまた暑かった。

 新潮社。
 産経新聞の文化部、上塚真由さんに
「私の修業時代」のインタビューを受ける。

 研究所近くのレストランで、
筑摩書房の増田健史、ちくま学芸文庫編集長の
大山悦子さん、日販の野田香織さんと
会う。

 「新刊展望」で「脳」整理法を取り上げて
くださることになり、その取材。

 大山さんとは、なかなかお会いできなくて、
やっとお目にかかれた。
 本をちくま学芸文庫に入れることに
ついての、ご相談。

 The Brain Club。
 張さんと私がJournal Clubで論文紹介をして、
恩蔵さんがprogress reportをした。

 私が紹介したのは、entorhinal cortexに
おけるspatial representationにgrid structure
があるという論文だが、
 キレイな数学的構造を示しているようで
いて、
 実は様々な問題をはらんでいるように思う。

 いろいろなことがある中で、
ゼミは楽しい時間というか、
 頭がシミジミ喜んでいる。

 やはり、私は、あらゆる快楽の中で、
難しい問題を考えている時に一番
深い喜びを感じるようである。

 Wittgensteinの"the immunity to error through
misidentification"という言葉に考え込む。

 「自己」の周りには、agency, ownership,
controllabilityなどの様々な要素があるが、
 その相互関係性を解きほぐして有機的な
図にするだけでもnon-trivialな
結果になる気がする。

 ソニー仙台の人事の菅野さんにいただいた
おいしいお酒を、修士1年の箆伊智充に託す。
 11日から3日間、渡嘉敷島で
研究室合宿なので、
そこに持っていってもらう
ことにする。
 箆伊よ、運び屋になってくれ。

 私は11日に仕事があるので、後から行く。

 小俣圭、柳川透の博士三年はそろそろ追い込み
なので、がんばって欲しい。
 小俣くんは、なぜ音素間で「非対称性」が
出るのか、そこのところを一つ考えてください。
 合宿でじっくり議論しよう。

 渋谷でD-ProjectのFrancois DuBoisさん、
木村彩さんと会食。
 久しぶりに英語でへらへら喋って、
とっても楽しかった。
 日本語と英語では、
音としてのリズムが違うから、
 違う音楽を奏でているような気分になる。

 あとから、増田健史乱入。

 来週の火曜日に朝日新聞に打つという
「脳」整理法の広告を見て、頭をかかえる。
 芸大の蓮沼昌宏が描いた、「指人形」
のような私の似顔絵が載っている。

 「オウ、ノー! ・・・・」
 「いや、茂木さん、それはですね、営業の
プロが、それが効果あると判断したわけでして、
きっと効果がありますよ!」

 増田健史は、さらに、「脳」整理法が
発売3日で増刷になったというのは正しくなく、
実質的には書店に並んで1日半で増刷に
なったのだと、
 日販東販の流通経路についての技術的
ディテールとともに説明してくれた。

 「茂木さん、売りますよ!」と
増田健史がギラギラしている。
 もし、10万部に行ったら、増田健史と
NHK出版の
大場旦を「ミュンヘンビールの旅」に連れて
行くと約束しているのだ。

 さらに、NTT出版の牧野彰久さん、今井章博さん
が乱入。
 原稿が遅れている私が悪いのだが、
許してもらえると思ったら、許してもらえなかった。

 渋谷というのは奇妙な場所だ。
 Wittgensteinのspiritがそのあたりを
うろついていたような気がする。
 その気配でますます現実と仮想がちゃんぷるに
なって妙な感覚になった。

9月 10, 2005 at 09:37 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 指人形:

» 憧れの人 トラックバック 木村彩の社長日記 【株】D-Project代表取締役
憧れの人というか、ずっとお会いしたいな、お食事したいなと勝手に私が片思いだった方と、今晩、お酒をご一緒させていただきました。その方は、茂木健一郎さん。『脳と仮想』の著者でもあり、本著で小林秀雄賞を先日受賞されたばかりです。ひとことで凝縮すると、予想通り...... [続きを読む]

受信: 2005/09/10 10:36:50

コメント

現実と仮想がちゃんぷるになると言う感覚…。
それは渋谷とか原宿などといったゴチャゴチャした、大量の人間が行き来する現実の街並と自分が脳の中で描いたイマジネーションの世界とが混ざった感覚ということなのだろうか。
自分も週に一回だが、ウォークマンを連れて音楽を聴いてアタマをほどよく刺激してやりながら、山手線沿線の街をあちこち歩いていると、自分がウォークマンを聞きながら脳の中でイメージしたものと、実際に歩いている町の風景とがまぜこぜになったようになり、まさに「現実と仮想がちゃんぷる」化してくる。これはこれで妙な感覚なのだが、一方ではそういう感覚を楽しんでいる自分がいる。
もっとも、ウォークマンを長時間聴きながら東京中をうろうろしていると、さすがに好い加減、脳や身体が疲労困憊してくるので、帰りは聴くのをやめて耳を街のノイズにさらしてやり、脳の疲れをとることにしている。
*わたしの「QUALIAストア通い」も気がついたら2年を経過してしまったようです。週一回、主に土曜に出没しています。
実は「QUALIA016」を手に入れるべく、「クオリアの為の貯金」をしています。月給の中から1万円をその貯金にあてています。あれは実質40万円なので、いつ40万円貯まるか気が遠くなりそうです。

投稿: 銀鏡反応 | 2005/09/10 20:31:20

昨日は、本当にありがとうございました。
場所も気にいって頂けたみたいで、よかったです。
また、ご一緒させてくださいね。

投稿: 木村 彩 | 2005/09/10 10:36:17

コメントを書く