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2005/08/29

3人のじいさん

 進化学会で東北大学に日帰りした。
 会場近くに顔を出すと、池上高志が、
「お前、来ないと思っていたよ〜」と叫んだ。
 
 驚天動地のことに、郡司ペギオ幸夫が
一ヶ月前に煙草をやめていた。
 沖縄に行って、一日買えなかったのがきっかけ
だったそうである。
 しかし、アロハを着ているのは変わらなかった。

 何回もあっているメンツだが、
 話は何回聞いても面白い。
 池上高志が、マジメに座長をやって
いたので笑ってしまった。
 文脈に合わせようと思えば合わせられるんだなあと
しみじみ思った。

 面白かったのは、みんなで入った
昼食での郡司である。
 池上が、荒川修作の最新作の建築のことを
話していて、
 「居間からトイレに行くのに15分かかるんだって
よ。ははは」
と言うと、郡司が「いやあ、そういうのを、建築と
して作ってしまうとダメなんで、面白い
ことは日常の中に沢山あるよ」と口を
挟んで、次のような話をした。

 「オレがこの前喫茶店に入っていたら、
80くらいのじいさんが3人入ってきたんだ。

 3人ともよぼよぼで、暑い中を歩いてきたんで
皆だらーりと汗を流しているんだよ。
 そいつらが、テーブルに腰掛けたんだけど、
そこはアイスコーヒーとかをセルフサービスで
持ってくる店で、
 勝手が分からないらしい。
「この店は、一体どうすればいいんでしょうね」
なんて、3人で話しているんだ。
 ああいう、一秒ごとがつらい、
というような生を生きているという感じが、
オレにはいいなあ。」

 「それで、そのうち、その3人のじいさんの
うちの一人が、立ち上がって、コーヒーを
取りにいったんだ。そのじいさん、足が
悪くて、それで、テーブルに残った二人の
じいさんが、「ああ、足が悪いのに、あの
人にコーヒーを取りにいかせてしまった」
なんて話し合っているんだ。
 それでも、本人たちは、一向に立ち上がろうと
しないで相変わらず椅子に腰掛けて、だらーりと
汗をかいているんだよ。」

 オレと池上はゲラゲラ笑いながら
聞いていたが、
 それからしんみりした。

 東北は郡司の出身校で、伝説の
「郡司モヒカン登りの電柱」があるだろ、
お前、と池上が郡司に言っていたが、
 今回は確認できなかった。

 ちょっと無理めだったが、仙台に
行って良かった。
 世の中に本当に面白いもの/人は
少ないが、
 そのようなもの/人に出会うと、 
それは福音になる。

 オレたちも80歳になったら、
3人のじいさんになって、夏の暑い盛りに
喫茶店に行って汗をだらーりとかいてみたい。

8月 29, 2005 at 07:55 午前 |

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