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2005/08/12

また一つ・・・

 夕刻、打ち合わせのためにNHKへ。
おなじみ、
有吉伸人さんに加え、
 河瀬大作さん、住吉美紀さんも。

 組織をどのように運営するかという
組織論において、
 近年は、人の自発性を重視する
方向に向かっているのだと思う。
 そうでなければ組織を
意義ある形で活かすことができない
方向に、状況が変化
して来ているのだ。

 何よりも、コンピュータ、インターネット
などの情報環境の変化により、人間の
仕事がより「創造性、コミュニケーション」
方向にシフトして来ていることが大きい。
 創造性やコミュニケーションは、
指揮命令系統で強制することができない
のだ。

 もう一方で、ITの発達により、
具体的な数字をロジカルに積み上げる
作業も可能になった。
 自発性と、ロジックや数字の積み上げ。この
二つが双発エンジンのようにあれば強い。

 以上のようなプリンシプルを
具体的に実践しているある
方について、いろいろ議論した。

 場所を下北沢に移してさらに打ち合わせ。
 取材に出かけていた細田美和子さんも
いらっしゃる。

 有吉さんの演出論が面白かった。人間の
「素」を出す方向に行くか。それとも、
素を消して、ある理想的なスタイルをなぞる
方向に行くか。
 「カメラの前で、人が本当の姿を
さらけ出すはずがないですよ。でも、たとえ
一瞬でも、本当の姿が見えた時に、それを
視聴者は敏感に感じ取る。なにしろ視聴者は
テレビを見るプロですからね。」

 また一つ、現場発の光る言葉に出会った。
 
 「また一つ」と言えば、住吉美紀さんは
アナウンサーで、いろいろなお仕事をされて
いるけれども、「地球!ふしぎ大自然」
http://www.nhk.or.jp/daishizen/
のナレーションも担当されている。 
 8月22日放送のスペシャルではレポートも
するという。

 そのナレーションで、最後に、
「また一つ、地球のかけがえの
なさを見つけました」というところがあるが、
 あれは水戸黄門の印籠のようなもので、
あれがないと落ち着かない。

 人間は不確実性や偶有性を好む傾向を持つが、
一方で黄門様の印籠や「地球!ふしぎ大自然」の
「また一つ」のように、定型的なところに
「引き込まれる」ことをも好む。

 生命作用というのは単一ベクトルでは支えきれず、
必ず一見相反する二つの原理の間で揺れ動くの
だろう。

 文楽の人形のように理想のスタイルをなぞりつつ、
そこにちらりと「素」が見える時に人は
何か凄まじきものを感じるのではないか。

The Qualia Journal
"To Sir Georg Solti"

8月 12, 2005 at 08:16 午前 |

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 何よりも、コンピュータ、インターネットなどの情報環境の変化により、人間の仕事がより「創造性、コミュニケーション」方向にシフトして来ていることが大きい。  創造性やコミュニケーションは、指揮命令系統で強制することができないのだ。  もう一方で、ITの発達により、具体的な数字をロジカルに積み上げる作業も可能になった。  自発性と、ロジックや数字の積み上げ。この二つが双発エンジンのようにあれば強い。 そのナレーションで、最後に、「また一つ、地球のかけがえのなさを見つけました」というところがあるが、 あ... [続きを読む]

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コメント

たびたびすみません。面白いblogを見つけたと、仕事放って読んでいました。これなんか、まずは直感で捉えてそれを言語化(論理化)することによってFixされるようなことですよね。私の専門の音楽でもそうですけど、まず聴こえてこなきゃ始まらない。いくらロジカルに作曲技法をトップダウンで演繹していっても、それで出来たものなんかたかがしれてる。でも、聴こえただけでもだめなんです。双発エンジンって表現、すごく面白いと思いました。双発(創発)=Logic+Imagination かな。言葉としては矛盾してるけど。

投稿: 江村哲二 | 2005/08/15 15:08:05

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