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2005/07/13

不良設定問題

 すみだトリフォニーホールで
開かれた
 小澤征爾指揮、新日本フィルの
ブラームス交響曲第2番のリハーサルを
見に行った。
 日本マーケティング協会の研究会
である。
 
 指揮者は、基本的に不良設定問題である。
 音のかかわること全てをコントロールできる
はずがない。
 それでも、指揮が成立しているというところが
面白い。
 
 小澤さんは、しきりに、「母音をもっと響かせて!」
などと言っていた。
 自分が感じている音のクオリアを言語化する
能力が必要なのだろう。
 しかも、それを、能動的にactionできるように
的確に伝える。
 
 感性的言語を、運動的言語に変換する。
 それが指揮者の能力の一つなのだろう。

 リハーサルの最後に、ユンディ・リが出てきて
グリークのピアノ協奏曲の第一楽章を弾いた。
 派手なカデンツァだった。

 多目的ルームで、新日本フィル事務局長の桑原浩さん、
音楽評論家の諸石幸生さんと鼎談。
 
 諸石さんによると、まったくその前にリハーサル
していなくても、小澤が出てきた瞬間に
音が変わるのだという。
 だとすれば、指揮者がコントロールしている
のではない。
 オケが小澤を前に、勝手に弾いている
のである。
 もちろん、どう勝手に弾くかは、
小澤その人の存在によって決まる。

 会話と同じで、目の前にどのような相手が
いるかで、生み出されてくるものが違う。
 つまりは不良設定問題であることこそが、
積極的本質だということになる。
 
 夕刻、読売新聞社。

 ヨミウリ・ウィークリー編集部に
寄り、
 川人献一編集長、二居隆司さん、臼井理浩
さんに挨拶。

 読売新聞の読書委員会。
 面白い本が複数。
 満足いたしました。

 今日の教訓。
 不良設定問題は、自律性によって解決され、
むしろ積極的な事態へと変換される。

The Qualia Journal
Seiji Ozawa's ill-posed problem

7月 13, 2005 at 06:59 午前 |

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受信: 2005/07/15 8:39:06

コメント

Moriyaさん
コメントありがとうございます。
オーラは、その人がどこかに行こうとしていて、それについていきたくなるということではないでしょうか?
昔群れで移動していた時、先頭の動物がもっていたなにかと同じではないかと思います。

投稿: | 2005/07/15 8:34:04

指揮者はill-posed problemであるという。なるほどたしかに。
指揮者によってオケの音が全く異なるという現象は、本当に一体何がそうさせているのでしょうか。大変興味深いです。そこでちょっとここでお伺いしてみたいのは、茂木さんは俗に”オーラ”と呼ばれているものの本体は、一体何だと思われますでしょうか。また、指揮者のもつ力は”オーラ”と呼ばれているものとは果たして同じものでしょうか別なものでしょうか、別だとするとどのように異なると思われますか。最後に:いつも興味深く読ませていただいて おります。

投稿: | 2005/07/14 10:45:11

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