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2005/07/10

活字が頭に染みこんでいく快楽。

土曜日
 仕事をぜんぶ投げ出して、
ひたすら活字を読んでいた。

 まずよんだのは、牧村健一郎さんの
『新聞記者 夏目漱石』(平凡社新書)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582852777/250-6843450-5097069

 漱石が東京帝国大学教授を目前にして
朝日新聞社に入社したことは、
 当時センセーションを呼んだわけだけれども、
 この本は「社員」としての漱石の生活を
リアルに描いていて秀逸。

 「苦悩する文豪」というつくられたイメージ
ではとらえきれない、漱石の生活の苦労
が見えてくる。
 その小説世界自体が、当時の社会情勢に取材した
一種のジャーナリズム的側面を持っていた。
 もちろん、そのような性格付けさえ超えて
しまうところが漱石の偉大である。

 続いて、文藝春秋 臨時増刊 「昭和と私」
を読む。

http://www.bunshun.co.jp/mag/extra/showa/index.htm

 私が生まれたのは昭和37年。戦争終結から
17年。今年は平成17年。昭和が終わってから
17年。

 二つの17を比べると、時代の変化というのは
気付かないうちにすでに取り返しのつかない
ことになっているなと思う。

 二つの特別鼎談が秀逸。
 成熟した知性が繰り出す丁々発止は
気持がよい。

 活字がアタマに染みこんでいく快楽。
 思えば、最近、ゆっくりと読書する暇さえ
なかった。

 本が売れないというが、私にはよく判らない。
面白い本をソファに寝ころがって読む
 独特の快楽(ところてんのようにつるんと
冷たく、しかし芯は熱く私のアタマの中に
入っていくもの)に代わるものは他にないのだけれども。

 出版業は本当は快楽産業なんだと思う。

 さて、仕事をします。ごめんなさい。

7月 10, 2005 at 06:59 午前 |

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