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2005/05/28

りんご1個

九州大学のスーパーCOE、ユーザーサイエンス
機構(USI)の設立1周年記念の公開シンポジウムに
伺った。

会場は九州大学医学部百年講堂で、隣には
九州大学病院があり、その隣に高層の新病院が
建てられつつある。

シンポジウムが始まる前、都甲潔さんと
久しぶりに話す。
大変お元気で、エネルギッシュである。
味覚センサーなどの会社を複数立ち上げている
とのこと。

シンポジウムは、
まず私が話させていただいて、その後
パネル討論会になった。

松永勝也さんは、反応時間の平均値からの
ずれについて、大変興味深いデータを示された。
平均値にすればone-offで消えてしまうような
振る舞いも、
たとえばブレーキのかけの遅れを
通して事故につながる可能性がある。

rare eventが認知プロセス上重要な意味を
持つ。そのようなことは事故以外にも
ありそうで、考えさせられた。

沈壽官さんは島津家の官窯(薩摩焼)の十五代目。
陶芸というのは、火山の噴火で出来た石が長い間かけて
土になったものを、また火を入れて石に戻す行為
だと言われた。
自分の焼き上げた作品の評価において
「一尺の見切り」と「一間の見切り」
というものがある。
前者は、作品をつくっている自分から
見た価値で、
後者は、その作品が愛蔵家の居住空間に
置かれた時の価値である。
「花活け」の意匠は、何にでも使えそうに思える
ものだとかえって何にも使えず、
かといって活け方を強く指定するものもダメで、
その頃合いが難しいと。

水田祥代さんは九大病院長として、現在
進んでいる「明るく楽しい小児病棟」の
新築計画について話された。
そして、大倉冨美雄さんは、イタリアに
10年いてデザインをされた経験から、
日本の現状に対する提言をされた。

シンポジウム終了後、懇親会。
いろいろな方とお話することができた。

綿貫茂喜さんも加わって、
櫛田神社裏あたりにある、上川端の
せいもん払いへ。
糸井久明さんの行きつけの店とのこと。

デザインの仕事をされている平松暁さんご夫妻も。
平松さんは、私の「最初のペンギン」の話を聞いて、
ペンギンの陶器をもってきてくださった。

小倉出身の私の母親が、子供の時数の子をどんぶりで
食べていた、という話をしているうちに、
突然、母の父(私の祖父)が月に一回
リンゴを買ってきて兄弟姉妹がそれぞれ
丸ごと一個食べることができるのが
楽しみで、駅まで迎えにいった、
という話を思い出してしまった。

昔は日本は貧しかった。飽食の時代は何時まで続くか。

時代をまたいで対峙すれば、私たち一人一人が
実はジョージブッシュではないか。

薩摩焼酎のおいしさを認識した。

5月 28, 2005 at 09:25 午前 |

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