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2005/04/27

見出しの問題

山手線のホームで、夕刊フジに奇妙な
見出しを見つけた
 「運転士、ゲーム脳か?」
とある。
 「か」は小さくなっている。

 買って読んでみたら、なんのことはない、
日本大学の森昭雄さんが「ゲーム脳の症状に
似ている」とコメントしていることだけを
根拠にした見出しだった。
 運転士がゲームを愛好していた、という
話でさえない。

 「おい、これひどいぜ」
と学生たちに社会勉強のために渡した。

 仕事をいくつか済ませて、再び駅で
キオスクを見たら、
 「運転士 異常行動」
と見出しが変わっていた。
 さすがに、夕刊フジ編集部もまずいと
思ったのであろう。
 あるいは抗議があったのかもしれない。
 私も、時間があったら編集部に電話して
「あれはちょっと・・・」と指摘しようと
思っていたところだった。
 夕刊フジの勇み足とメディアとしての良心
についてしばらく考えた。

 毎日、腹が立つこととか、いろいろあるが、
あまり気にしないようにしているのは、
つまりは理想に殉じたいからで、
 ノイズは理想と関係ない。
 世の中にはいろいろな考えの人が
いるわけで、 
 その中にはトホホもあるが、
それは生態系の豊かさの現れであって、
 そういうのをいちいちモグラ叩きしていると、
無菌状態を求める脅迫観念になりかねない。

 だから、あまり個々の事象に目をとらわれないで、
 自分の理想を追い求めるのが
吉である。
 そして、理想というのは別に言葉で書けるものでは
なくて、
 様々な行為の包絡線から次第に見えてくるもの
なのだろう。

 こんなことを書くのも、自分がむかっ腹を
立てるタイプだと判っているからで、
 いわば自己暗示のために書いているのである。

4月 27, 2005 at 05:55 午前 |

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» マジョリティーとマイノリティー トラックバック noelkit.com
「fladdict.net blog: 電車事故をゲーム脳のせいとかほざいている人々がいる」と「茂木健一郎 クオリア日記: 見出しの問題」を読んでみました。 世論は常にマジョリティーとマイノリティーに分けられ、マジョリティー側の視点が良くも悪くもウイルス並みに広まっていくわけです。予防接種があるかとえば、例えば個人ブログとか、例えば「2ch内世論はリアルのマジョリティ世論とずれてる。」とか?(まあもともと抗体をつくるためのモノなので)一種の予防接種になりうるかなー?とも思うわけです。 マイノリティー... [続きを読む]

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 また尼崎鉄道事故ネタで申し訳ない。  ただ、今回は、相当に許し難い。如何に温厚 [続きを読む]

受信: 2005/04/27 20:15:11

コメント

昨日から「脳と創造性」を拝読しました。一度目は、なぜか「2001年宇宙の旅」とだぶって、一体なんだろうと思いました。二度目を読んで、今度は、この本をどのくらいの人が読むのだろう・・・100万人ぐらいに読んで欲しいと・・・
amazon.comの書評で3名の方から絶賛されています。あのように分かってしまう人がいるものだと驚嘆です。私には、大変に難しいものですが、勇気付けられる波と自信を失う波とに交互に襲われました。恐らく、次に読むとまた違った感覚を覚えるのだろうと楽しみにしています。
むかっ腹を立ててください。ご本のところどころにむかっ腹の気配がありますが、上手に抑えていらっしゃる。
私には、間違ったコンピューター礼賛の風潮に警告を発しているご本とも受け取れました。バブル経済は日本人に思考する空しさを植えつけました。その後のITバブル以後今日までこの国はいびつな金儲け志向一辺倒に動いているように見えます。勝ち組負け組みという言葉の氾濫も異常です。それも創造活動と言ってしまえばそれまでですが、今、この国にとって思考する力をどう取り戻すのかという大命題があるように思っています。ご本はその格好のテキストになると信じます。微力ですができるだけ多くの人に推薦したいと思っています。


投稿: 渡辺日出男 | 2005/04/28 22:07:16

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