炎に向き合い、自らの魂を知る
大阪ガス季刊誌CEL
March 2005 Vol.72
炎に向き合い、自らの魂を知る
茂木健一郎
たき火の形は、一瞬たりとも同じであること
はない。炎は踊り、姿を変え続ける。そのように
絶えず変化する火を見ている時に、心の中に喚
起される原始的感情の中には、有史以来の人
間の記憶が反映されている。.
カナダの森の中で、一週間カヌーを漕いだこ
とがある。夜になると落ちている枝を集めて、
たき火をした。熊が来るというので、食料はコン
テナに密閉した。さすがに熊が来るとまでは思
わなかったが、何やら動くものの気配がする度
に身構えながら、確かなぬくもりをもたらして
くれる炎を見つめ続けた。炎から夜の湖に目を
転じると、昼間はあれほど遠くに見えた対岸の
山が、手が届くほどすぐそこにあるような感じ
がした。たき火の明かりが、対岸を照らし出さ
ないことが不思議なほどだった
(続く)
http://www.osakagas.co.jp/cel/new_cel_72.htm
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3月 31, 2005 at 07:42 午前 | Permalink
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コメント
読ませていただきました なんだか懐かしく
ふと本棚にあるアウトライダーという オートバイの雑誌を引っ張り出しました これこれと
2000年4月号に週末キャンプ”土曜の夜は外で飲む”という記事の中に 焚き火を囲んで飲んでいる写真がありました
焚き火の炎を 見つめるとみな回帰するのですね
投稿: withcom | 2005/03/31 22:13:39
読ませていただきました なんだか懐かしく
ふと本棚にあるアウトライダーという オートバイの雑誌を引っ張り出しました これこれと
2000年4月号に週末キャンプ”土曜の夜は外で飲む”という記事の中に 焚き火を囲んで飲んでいる写真がありました
焚き火の炎を 見つめるとみな回帰するのですね
投稿: withcom | 2005/03/31 22:13:00