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2005/03/11

科学とアート(承前)

時は流れ、品川に向かう東海道線の中。

研究会は大変面白かった。
私が喋った後、もとみやかおるさんが、
伝統技法「金つぎ」を生かしたアートプロジェクトの
話。
割れた焼き物を捨てずににかわと金で接いで
使い、あまっさえそれを新たな「景色」として
楽しんでしまうという世界でも日本だけで
見られた技法で、いろいろなものを接いで
しまう。

ネガとポジを裏返すと、実は「割れ目を接ぐ」
ということが形態形成における普遍的原理なの
ではないか。

続いて、松木宏之さんが、音声処理、人工知能、
ロボットの話。
ロボットのデザインとは一体何なのか、
その原理的及び実際的考察を巡って議論が
盛り上がったが、
アート側のロボットデザインの現状に対する厳しい
認識が印象的であった。

続いて、伊藤俊治さんがフランスで開かれた
自然物を集めた展覧会の画像を見せながら、
形態形成、人為の問題を議論。
確かに、人間は自分の創造性を
特権化すべきではない。
それは、自然界に普遍的に存在する
自己組織化の傾向の一つのインスタンスに
過ぎないのだ。

港さんが、クロマニヨン人の洞窟から
大量の「奇妙な形をした自然物」が発見
されたことから、アートの始源は、
自然界に落ちている興味深い形のものを
見出し、集めることにあったのではないか
と指摘。

港さんは1994年にフランスで発見されて
一大センセーションを巻き起こした
La Grotte Chauvet
の洞窟画の絵を見せて、
私の脳の中にも一大センセーションを
巻き起こした。
凄すぎる。

http://www.culture.gouv.fr/culture/arcnat/chauvet/fr/

http://pro.wanadoo.fr/quatuor/art_b12_0004_00.jpg


夕食後、中ザワヒデキさんが、独特の
オーラを放ちながら議論を先導。
李明喜さんが、スルドイ意見を放ち、
伊藤さんがワインを手にさえまくり、
港さんが
アート&サイエンス複合体の蜃気楼が
ゆらゆらと見え始めたように思った。

参加者は、一筋縄ではいかない
強者たちであり、和して同せず、
同して和せず、
丁々発止のワイン・シンポジウムは
small hoursまで続き、
私はワイングラスを持ちながらうとうとし、
30分後に会話を続けるという得意技を
繰り出して強者どもに対抗いたしました。

いろいろなものの蜃気楼が見えたように
思うので、ぜひ追求してみたいと思う。

3月 11, 2005 at 03:34 午後 |

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