スーラ(溶ける)
夕方、仕事をしながらNHK FMを聞いて
いたら、ユネスコの国際作曲家会議(IRC)2004
で選ばれた作品を放送していた。
その中で最優秀の「スーラ(溶ける)」を聞いていたら、
途中で、「ケッケッケッケッ!」とでも表現するしか
ない、人間の声のような音が聞こえてきて
笑ってしまった。
IRC国際作曲家会議2004
「スーラ(溶ける)」
ヘレナ・トゥルヴ作曲 (エストニア)(18分50秒)
(管弦楽)エストニア国立交響楽団 (指揮)トーマス・バビロフ
解説者は「妖怪」と言っていたけれど、
この曲は地球温暖化をテーマにした曲で、
地球温暖化で南極の氷が溶けると、妖怪が出てくる、
みたいなメタファーなのかもしれない。
作曲者のHelena Tulve
は、温暖化で氷が溶けるだけではなく、さまざまな
アイデアや、物質、音色などが一つの状態から
もう一つの状態に移行する様子を描きたかったらしい。
"Sula denotes the process of thawing, melting - the transformation of ideas, materials, timbres and sounds from one state to another. The composition was partly inspired by the rather topical notion of global warming, by this image of a colossal iceberg thawing up."
素敵だ。
ラジオは、セレンディピティを運んでくる。
NHKのHPには、FMの番組表が細かいデータ
付きで載っているので、それを参照しながら
聴いているととてもいいセレンディピティの
風が吹いてくる。
先日は、
「人魚の歌 Hob.26a:25」 ハイドン作曲
(3分32秒)(ソプラノ)アーリーン・オージェ
(ピアノ)ワルター・オルベルツ
<DEUTSCHE SCHALLPLATTEN TKCC−70123>
がとびっきりのセレンディピティだった。
さて、春でもあるし、スーラ(溶ける)という
素敵なメタファーをしばらくは追求してみたい。
一見異質に見えるものとか、
相容れないものとか、そういうものと行き交って、
溶かして/溶けて、別のものになってみたい。
今日は春のように暖かくなるそうである。
3月 7, 2005 at 06:16 午前 | Permalink
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コメント
私もこれ聞いていました。
気持ちとしましては所謂クラシック音楽という部類で聞いていました。が、
突然のあの「ケッケッケッ!」には
ちょいと驚かされてしまい、
・・?な、なんだぁ!? と思いましたが
次の瞬間私も笑ってしまいました。
投稿: とも% | 2005/03/07 8:56:11