« テレビゲームは本当に脳に悪いのか? | トップページ | おいしさの、思い出せない記憶 »

2005/03/02

意識の誕生の始源的光景

アーティストの鈴木康広さんが
研究所に来てトークしてくださった。

http://www.nhk.or.jp/digista/hall/2001/0804_suzuki.html
 
http://www.mabataki.com/profile/

 鈴木さんは、まず、学生時代につくったという
「パラパラ漫画」を見せてくれた。
 これが滅法おもしろい。普通のメモパッド1冊に
線画で、
 羽ばたくハトに目がついてまたばきする
 りんごが地面に落ちて芽を吹く
 「上」という字が上に行き、「下」という
字が下に行ったりする
といった、様々な世界が展開する。

 続いていろいろな作品をビデオで見せて
くれた。
 もっとも有名なのは、おそらく「遊具の透視法」
「まばたきの葉」なのだろうけど、
 他にもいろいろ見せてくれた。

 「遊具の透視法」については、ミニチュアの
グローブジャングルを持ち込んで、自分で回して
投影し、実演してくれた。
 じっと見ていたが、何だか不思議な感覚である。

 
 
 「まばたき」もそうだが、ちかちかと切断され、
しかも続いて行く世界の不思議さは、
 人間の意識そのものの成り立ちの根幹に
かかわっている。
 意識の流れ(stream of consciousness)は、
あたかも伸ばされた飴のように連続につながるよう
に見えて、
 実は離散的な神経細胞の活動によって
支えられている。

 離散と連続の接合面にこそ、意識の流れは
生じるのだ。
 
 鈴木さんの作品は、意識の誕生の始源的
光景に我々を引き戻す作用があると思う。

 芸大から、植田工、蓮沼昌宏、杉原信幸、藤本徹も
鈴木さんのtalkを聞きにきた。

 植田、蓮沼、杉原の三人は、3月1日が
大学院の合格発表で、三人とも無事合格していた。
 とにかくめでたいのである。

 鈴木さんにありがと会、三人の大学院合格祝賀会、
それに、須藤珠水も、日本財団のグラント合格
おめでと会を五反田の「あさり」で開く。


 
 左から、蓮沼昌宏、鈴木康広、藤本徹、田辺史子

 関根崇泰に、「部長、ま、お一つ」
と言うと、おじさん声で、
 「おお、そうかね。まあ、一つ、茂木君もがんばり
たまえ」
と言うので、おもしろい。
 
 もっと居たかったが、私はいろいろ仕事が
山積していて、人生という机から崩れ落ちそうに
なっており、
 生ビールを1.5杯飲んだだけで引き上げた。

 あの後、関根がずっと部長をやっていたか
どうかは判らない。

3月 2, 2005 at 05:26 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 意識の誕生の始源的光景:

» ゲーム脳とフジテレビ問題 トラックバック 横浜よろず研究所
神奈川県が凶暴なゲームを有害図書扱いに条例で決めました。どこで凶暴性の線引きをするのは謎なんですが、近頃の少年犯罪報道で”「ゲーム脳」になると現実とバーチャルの [続きを読む]

受信: 2005/03/09 14:53:18

» アーティスト 鈴木康広 [Link]NHK トップランナー トラックバック 魚祐の巻物 | sakana no makimono
公開収録の募集をしていたから、 そろそろかなと思っていたら鈴木さんが出演! 実... [続きを読む]

受信: 2008/01/19 2:40:08

コメント

この記事へのコメントは終了しました。