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2005/02/20

現場の人

 トンカツに始まり、天丼に終わる。
 B級グルメの夢の一日だった。

 トンカツで朝ご飯を食べ、仕事をしながら「ひたち」
で土浦に向かい、
 そこからタクシーで国際会議場に行った。
アーカスプロジェクトのアートセミナーに出るためである。

 日比野克彦さんは、「大きい」印象の人だった。
似たような印象を、橋本治さんにも感じた
ことがある。

 まず、帆足亜紀さんが
アーカスプロジェクトの紹介をして、その後で
私が、
 「脳は一回性と日常性をどうとらえるか」
というタイトルで40分話し、
 その後日比野さんがワークショップが
あった。
 文字を使っていろいろやって行く。
 アートとはつまり、気づきの過程である。
 
 いろいろな人が会場に来ていた。
 朝日出版社の赤井茂樹さんや、美術編集の
逸見陽子さん、電通の佐々木厚さん、水戸芸術館
の森司さんも。
 森さんは、8月に水戸芸術館で
日比野さんの展覧会を企画していて、その
作品の製作の準備に入っているということで、
 最後の対談でも、日比野さんから、
その話が出た。

 対談中も言ったけれども、
私は現場が好きだ。
 現場にいれば、たとえ失望や怒りを感じる
場合でも、
 必ず何かを学ぶことができる。
 だから、いろいろな現場に自ら
飛び込んでいくことでしか、
 学ぶことはできない。
  
 日比野さんは、ずっと現場にいた人だと思う。
発せられる言葉の海から、
ずしりと重い直球が来た。

 つくばに来ると、土浦の「ほたて」
で天ぷらを食べるのを楽しみにしている。
 ずっと貝の名前だと思っていたが、
店の人と話していて、実は
「保立」さんがやっていることが
わかった。
 「よく勘違いされるのですよ」
と保立さん。
 座敷には、仕出しに使う長持が
重ねてある。
 2004年12月18日の日記に
書いた「吾妻庵」は、親戚だと言う。

 土浦で私が愛する店は、親戚どうしだった。
 かくて、B級グルメの夢の一日は終わった。
天丼を食べて歩く土浦の街は、とてつもなく
暗く見えた。
 きっと、疲れていたのだろう。


2月 20, 2005 at 09:02 午前 |

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