頭を悪くする方法
午前2時30分。今まで起きていたのではなくて、
さっき起きたのだから為念。
大仕事がいよいよ締め切りとなると、
こうなる。
コーヒーとチョコレートがインフラである。
夏目鏡子は『漱石の思い出』の中で、
「頭を悪くする」という表現を
連発している。
漱石は頭を悪くすると、やたらと当たり
散らしたり、被害妄想を持ったり、ちょっとの
ことで気分を害したり、大変だったそうである。
前兆現象として、顔が真っ赤になる。
顔が赤くなると、子供が緊張する。
不思議なことに、胃が悪くなると、
頭が治る。
なんのことはない、頭と胃を交互に
悪くしていたわけである。
胃を悪くする方法は判らないが、
頭を悪くする方法は経験から判る。
強度の強い思考を長時間続ければ
いいのである。
やさしいことを考えていてもダメで、
うんと難しくこんがらがったことを、
ずっと考えていれば、きっと
漱石のように「頭が悪くなる」と
思う。
自分でも、あまり長い時間強度の強い
思考をしていると、あやうくなるのが
判る時がある。
ロンドンで、下宿に籠もって
手当たり次第に原書を読んでいた時に
頭を悪くしたに違いない。
もっとも、好きこのんでバランスが
崩れるまでやる必要はない。
漱石はたまたま頭が悪くなったが、
頭が悪くなったから漱石になるとは限らない。
大学の落第生だとアインシュタインに
なる保証があるわけではないのと同じことである。
私は不断あんがいマジメに考えているので、
酒を飲む時くらいはバカ話をしたい、という
気持が強い。
そこはぱっと切り替える。
池上高志も、私と似たようなタイプである。
酒を飲むときもむつかしい話をしたがる
やつを、二人知っている。
郡司ペギオ幸夫と、塩谷賢である。
もっとも、塩谷賢は、普段ぐうたらで
適当にやり過ごしているから、
酒を飲んだ時にそのカタキをとろうと、
好きこのんで
むつかしさに絡んでいる可能性がある。
そこを行くと、郡司は、普段からむつかしい
ことを考えていて、しかも酒を飲んでも
むつかしい話をしたがる傾向がある。
我々の仲間で、頭を悪くする可能性が
一番あるのが、郡司かもしれない。
もっとも、陰で隠れてばかをしている
可能性もある。
酒を飲んでもむつかしい話を
するようになったら、要注意である。
そろそろ、カラスがかあと鳴き始める時間だ。
2月 7, 2005 at 02:45 午前 | Permalink
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