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2005/02/01

不可視な時間の流れの豊かさ

石津智大君の修士論文の審査をするために、
早稲田大学の文学部キャンパスへ。

 石井康智先生、山崎勝男先生とともに、
石津くんの説明を聞いて、質疑応答を。

 早稲田の事務から修論が送られてきたのは
2週間ほど前だったが、読んで驚いた。
 しばらく見ていなかった子供が、立派に
大きく成長したような感慨をもった。
 初期視覚野への高次視覚野からのフィードバック
の機能的意味を、
 さまざまな論文を読んでレビューした上で、
自分の立てた仮説で実験している。
 大きな問題意識を持って、それをきちんと
具体的な実験に落としている。
 「いろいろ言いたいことがあるんだけど、
とりあえず経験主義科学の枠内で、これをやる!」
という禁欲主義が見える。
 石津君、偉かった。

 柳川透、アーノと待ち合わせて、
外苑前の七音社へ。
 目黒から引っ越した後、初めてきた。
 松浦雅也さんはあいかわらずファンキーで
ラジカルだった。

 アーノが、自分がプロジェクトでつくった
ゲームのデモ画面を見せる。
 アーノは、フランスに帰ってから、こんな
ことをやっていたのか、とびっくり。
 なかなか良くできたゲームのオープニングで
ある。
 プレイステーションのICOにインスパイア
されたとのこと。

 最近のゲーム業界の流れ、
これからの方向性について、いろいろ
喋る。
 久しぶりに松浦さんと喋れて、良かった。
 不可視な時間の中で、いろいろ蓄積
している人と話すのは、新鮮で刺激的である。

 人間は飽きない。なぜなら、変わるから。
 お互いに何をやっているのか見えない
時間の流れがあり、再び出会うからこそ、 
 この世界は豊かである。

 神宮球場の横を抜けて、国立競技場前まで
歩く。
 とっぷりと日は暮れ、風は冷たかったが、
心は温かかった。
 一人でなくて良かった。

2月 1, 2005 at 06:29 午前 |

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