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2005/01/24

口げんかの効用

私はかなりやんちゃというか
血の気が多い子供だった。
 親友とも、かなり激しい口げんかをした。

 今でも忘れられないのは大野茂幸くんのことである。
 大野君はスポーツ万能で、不思議な能力を
持っていた。
 いっしょにクワガタを捕りにいくと、
なぜか知らないが隠れている場所を探り当てて
しまうのである。

 ある時、どのように探してきたのか知らないが、
お金が焼けてたくさん土の中に埋もれている
場所を見つけてきた。
 大野君と10円玉とか5円玉を掘り起こした。
 全部で数百円はあったと思う。
 
 それを持って駄菓子やさんで買い物をする時、
私は変色したお金が恥ずかしくて少し気後れして
いたのだが、
 大野君は堂々としていた。
 十五少年漂流記の隊長のように頼れる少年だった。

 その大野君と、小学校4年生の時、
何がきっかけだったか、
もの凄い口げんかをしたことがある。
 大野君は怒ると口がとんがってひょっとこの
ようになる。
 そこから湯気が出るのではないかというくらい
真っ赤になった。
 こちらも負けずにののしって、
険悪なまま別れた。

 翌朝、私は教室で大野君と顔を合わせるのが
なんとなく気恥ずかしくて、斜め70度くらいを
見ながら登校した。
 そうしたら、あっさりしたものだった。
 大野君は、昨日何もなかったかのように
「おう」と言ってきたのである。
 私も「やあ」と言って、そのまま笑顔で
談笑し、いつもの通りの親友になった。

 別に二人とも記憶障害だったわけではない。
徹底的に口げんかをすると、火山の噴火の後に
かぐわしい花の匂いがするがごとく、
 明るいカタルシスがあるのである。

 あの頃のことを思い出しても、
 口げんかには明らかな効用がある。

 私は日本人だが、中国、北朝鮮にはそれぞれ
言い分があるだろうということは想像できる。
 だったら、思い切り口げんかしてみたらどうか。
 きっと、噴火の後にかぐわしい花の匂いがして
くるのではないかと思う。

1月 24, 2005 at 07:53 午前 |

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