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2005/01/07

養老孟司さんと久しぶりに

青土社の『現代思想』編集部の鈴木英果さんが
研究所にいらっしゃる。
 昼食をとりながら、いろいろ話す。

 雑誌編集部のいいところは、いろいろな
人に会えることだと言う。
 確かに、単行本の編集者も、新書などは
常に30件程度の企画を立ち上げていると聞くが、
雑誌の編集者の会う人の数とは比較できない。

 あの人がどうのこうのという話をしている
うちに、どんどん面白くなってきた。
 鈴木さんは、幸か不幸か、青土社に入ってすぐに、
畏友、郡司ペギオ幸夫のテープ起こしをやらされた
のだという。
 「何がなんだかわかりませんでしたが、
才能がキラキラ輝いていることはわかりました。
 あれから10年。未だに、郡司先生が
何を言っていらっしゃるのかわかりません」
だそうです、郡司さん。

 鈴木さんが帰られた後、ソニー10号館へ。
 養老孟司さんが、もういらしていた。
 人事部の岩本悠さんの企画で、
養老さんと私で、セミナー。

 養老さんは、『バカの壁』以来、とてつもなく
忙しくなってしまわれて、
 こんな機会でもなければなかなかお会いできない。
 以前は、京大の基礎物理学研究所でやった
研究会にいらしていただいたりしたことも
あったのだけど、
 なかなかお声をかけるのもはばかられる。

 セミナーが始まるまでの時間は、ずーっと
昆虫の話をしていて、
 今度はブータンをねらうんだと言う。
 ブータンはこれまで年間何千人と観光客を
制限していたのだが、
 それを撤廃して、ただし、一日二万円
くらいとって、国がアレンジした運転手と
ガイドとホテルがつくように
なったとのこと。

 照葉樹林がブータンまで行っていて、
養老さんの好きなゾウムシがたくさんいるし、
まだあまり調べられていないので、ねらい目
だということである。
 
 セミナーが終了し、中華料理屋で懇親会。
 面白かったのは、養老さんの思考法で、
常にパラレルに複数のものが走っていて、
その中で、「これが気になる」というトゲが
刺さったような感覚があると、
 そのことをずっと覚えているのだという。

 そして、そのトゲが、ある時、
「ああ、なるほど」と腑に落ちるのを待つのだ
そうである。

 この年になっても、まだまだトゲばかりですよ、
としんみり言われた養老さんの表情の残像が
今もなお。

養老孟司さんと、ホテルパシフィック東京 「楼蘭」にて

1月 7, 2005 at 07:46 午前 |

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コメント

はじめまして。けんと申します。
茂木さんのクオリア日記はとても良いですね。毎日楽しみにしています。特に昨日の日記は、私の大好きな養老さんの思いがけない写真があってビックリです。私は養老さんのファン歴が10年くらいになるのですが、上の写真のような養老さんの穏やかな笑顔は見たことありませんでした。(実際にお会いしたことはないのですけど。)
この笑顔は茂木さんと一緒だからだと思います。真の理解者だと認めているからこそ、心を許しているんだな~と。茂木さんが羨ましいです。
でも、一つだけ。クオリア原理主義は、ちょっと…と思います。人には無意識の要素もありますから。やはり、養老さんの弟子だと自他共に認める茂木さんとしては、師匠(養老さん)がしているように、「中庸」をとって「中道」を歩むのが良いと思います。
勝手なことを言って申し訳ないです。
今後とも、良い本を書いてください。(脳内現象は凄く良かったです。)

投稿: けん | 2005/01/08 2:37:01

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