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2004/12/23

萩尾望都さんとの対談

ポプラ社の矢内裕子さんのお誘いで、
 漫画家の萩尾望都さんと対談。

 私は、子供の頃から、少年漫画(とりわけ
赤塚不二夫などのギャグマンガや、巨人の
星などのスポーツマンガ)はよく読んでいたが、
少女漫画には、半径5メートル以内に
近づかなかった。
 なんとなく、くらくらするというか、
妖しい雰囲気があるというか、近づいては
いけない! という感じがしていたのである。

 今回、萩尾さんと対談することになって、
『11人いる!』、『ポーの一族』、『スター・
レッド』、『バルバラ異界』などの
作品を読んでいたら、やっぱりくらくらした。
 しかし、このくらくらは、少女漫画全体に
普遍的、というよりも、特に萩尾望都作品に
固有のものでもあるらしい。

 ストーリー展開が、ゆらぎ、ふわふわ流され、
ふっとよぎり、飛び、くるくると巻いていく
感じ、というか、
 少年漫画のような、きっちりと、バン、バンと
シンボリックな記号が立ち上がってそれが
並んでいく、という感じがないというか、
 読んでいて、女の人の思考プロセス
(表面的な女らしさ、というのではなくて、
もっとも内面的な、そして奥底にある
女らしさのようなもの)を覗き込んでいる
ような気がした。
 
 私は、男の脳と女の脳の違いをあれこれ
おもしろおかしく言いたてるようなことが
好きではないのだけれども、
 萩尾さんの作品を読んでいると、
やはり違いはあって、その違いを楽しめば
良いのだろうなあ、と思った。
 もっとも、ここにいう性差は必ずしも
生物学的な性にストレートに対応する
ものではないし、個人差もあるものだと
思う。

 女の人が、素敵! な男の人を見たときに
胸がトキメク感じが、あのふわふわ流される
感じなのだろう、と想像していると
いろいろ面白い。

 パンパネラとか、
火星人とか、「人間」と異界との境界に
いるものの存在を通して、「私」がゆらぎ、
メタモルフォーゼしていく過程を描いている
のもとても心が惹かれる。

 それやこれやを話しているうちに、
時間は過ぎていった。

 ポプラ社は、最近新社屋が出来て、その一階で
レストランも経営している。
 打ちあげの夕食は、シャンパンから始まる
本格的なフレンチで、
 ポプラ社内の「奥の院」でいただいた。

 矢内さんは落語や歌舞伎に造詣が深く、
いろいろオタッキーな話が飛び出す。

 矢内さんが、
今日(23日)、佐藤雅彦さんに会われると
いうので、
 佐藤さんに、「宿題については引き続き考えて
います」とお伝えくださいとお願いする。
 11月16日に佐藤さんが研究所に
いらした時に投げかけられた課題
「わかる、ということをどう捉えるか」
について、佐藤さんの水準にふさわしい答えを
まだ考え中なのである。

 ポプラ社を出て、ふらふらと歩く街は
寒かった。

12月 23, 2004 at 07:37 午前 |

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脳科学者の茂木健一郎(もぎけんいちろう)さんがご自身のblogで、萩尾望都さんと [続きを読む]

受信: 2004/12/30 9:15:41

コメント

はじめてカキコさせていただきます。
18年ほど日本の外で暮らしていて、茂木さんのことを存じ上げませんでしたが、保坂さんの掲示板で初めてお名前を拝見、その後葉っぱ64さん、ぴぴ姫さん、その他の、信頼している方たちからのお話で興味をもち、いつもブログを拝見させていただいてます。
小心者なのでロムだけ・・・と思っていましたが、萩尾望都さんの名前が出てきたので、おもいきって質問をさせてください。
うちの娘たちに、わたしが子どもの頃から大人になるまで、夢中で読んだマンガをぜひ読ませてあげたいなあと、日ごろ思っています。
彼女たち、日本語は話したり聞いたりはできますが、読み書きはフランス語でないとむずかしく、萩尾望都さんや大島弓子さんの作品の仏訳はないのかしら・・・と、ずっと探しています。
仏訳はでていないのでしょうか?
もし出ていなかったらとても残念、出たらいいな。

投稿: shohoji | 2004/12/23 13:09:04

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