君子は豹変す
落語家の三遊亭白鳥さんと、対談する。
白鳥さんの高座には、三遊亭新潟という名前
だった時に何回かうかがったことがある。
新作落語だと思っていたら、それが実は
古典落語の線をなぞり、その精神を現代的に
復活させているということに気が付いて、
深い感動をおぼえた記憶がある。
対談で、驚いた。
白鳥さんは、別に古典落語を知っていて
それを現代風にアレンジしたのではなくて、
勝手に自分でつくったら、後で師匠たちに
「お前、それは古典落語の○○だよ」
と指摘されて、初めて気が付いたのだと言う。
この人は天才なのではないかと思った。
明治に、三遊亭円朝という大名人がいて、
「死神」、「文七元結」、「真景累ヶ淵」、「怪談牡丹灯籠」
など、今や
古典となっている新作を沢山つくった。
お話を伺っていて、
白鳥さんが、将来、円朝を襲名すれば
良いのではないか! と私は思った。
この人は、そのうち渋い落語をやる
ような気がする。
白鳥さんと円朝を結ぶ線が見えた。
「君子は豹変す」と言うが、真摯に
生きている人ほど、人生の途中で案外
ばーんと大きなモデルチェンジをするもの
なのではないかと思う。
自分の中に眠っている可能性は、無限
である。
脳の中にある様々な積み木を組み合わせて
いろいろな形をつくっていると、
それがある時美しい姿を生み出す。
いつも積み木を組んだり、解いたり、
無限運動を続けていることが大切だ。
対談後、新宿の台湾料理屋で打ちあげ。
白鳥さんは、最近は新潟中越地震の被災地に
慰問に行かれることが多いそうである。
家が壊れ、寒空に震える人たちに、さぞや
笑いのもたらす精神の光は暖かろう。
12月 7, 2004 at 07:10 午前 | Permalink
この記事へのコメントは終了しました。
コメント