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2004/11/09

素敵なヒト、かっこいいバー。

ファルージャの「武装勢力」だって、
人間だし、母親もいるだろう。
 「殺さないで。それは私の夫よ」と叫ぶ
ひともいるだろう。

 ブッシュも小泉も、威勢のよいことばかり
言いやがって、自分の親族を戦場に送って
いない。
 そういうやつらは信用しない。
 国家とか、平和とか、そういう大きな文字で
書かれる大義も、結局はプライベートな事情の
積み重ねに過ぎない。
 自分のプライベートは安全圏において
他人のプライベートを犠牲にするやつらの
話を、誰が真に受けるもんか。

 そんな怒りが込み上げる今朝であるが、
昨日は、
 クラブ・キングの桑原茂一さんの「目利き」
で、科学論の米本昌平さんと対談。
 米本さんは、地球環境問題についてのエクスパート
であるとともに、
 最近はゲノムの問題についても発言されているが、
こんなにおもしろい人とは思わなかった!

 書く文章と、本人の印象のギャップが大きい人が
時々いるが、それはつまりプロ意識のなせるわざ
というものであろう。
 
 おもしろさにも、何階級かあるけれども、
米本さんのおもしろさは、ミシェラン6つ星
(あり得ない!)というようなもので、この
レベルに達しているのは、私の知人では神戸大学
の郡司ペギオ幸夫しかいない。

 米本さんのおもしろさは、どうも血筋らしい。

 打ち上げをしたのが、赤坂の「うまや」という
店で、ここは市川猿之助一門の稽古場があるの
だけども、米本さんがいきなり
 「うちのおじいちゃんは道楽者でね」
と切り出す。
 「名古屋に歌舞伎がくると、良く役者を
家に泊めていたんですよ。」

 「借金をして人を歓待するのが好きでね。
駅から家まで、遊びにくる人が迷わないようにと、
桜の木を勝手に植えていたんですよ。」

 「子供の頃、なぜ家に向かう道に桜の木が
あるんだろう、と不思議でね。聞いたら、おじい
ちゃんが客が迷わないように植えたんだって。」

 「駅から家まで、そう、子供の足で20分くらいは
かかりましたかね。今じゃあもう、家の周りしか
残っていないですよ、後は全部切られちゃった。」

 何じゃい、そりゃあ!

 と思わず立ち上がってビールを一気飲みしたく
なるような妙な話だった。

 「私は人に会うのが苦手で、暗いし、引きこもり
みたいなもんなんですよ」
といいつつ、さっきは最高裁の裁判官の再任
審査委員会に出てきたと言ったり、

 「これが今週の予定表ですよ。ほら、これが
今日の対談」と言いつつ、ボールペンでごにょごにょ
と書いた謎の黒丸の印を見せたり、

 その、後ろ暗い性格でありながら、実は
明るい行動主義である、というギャップが
 あまりにもおもしろく、
「やっぱり郡司と似ている!」
と思いつつ、私は本当にうれしくなってしまった。

 桑原さんが連れていってくださった外苑西通りの
HOWLというバーは、あまりにもカッコいいので
しびれた。

 ここのマスターが、苦みばしった鋭い
男で、梅のリキュールを世界で初めて
開発した、と桑原さん。

 最後は、米本さんとふらふら国立競技場前
まで歩いて帰った。
 米本さんは素敵で、HOWLはかっこいい。
HOWLといっても、映画のハウルではありません。

11月 9, 2004 at 07:25 午前 |

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コメント

この前は、少し感情的な文章になり気になったので、最後に一つだけ、馬鹿は馬鹿なりに感じたことをまとめさせて下さい。笑い飛ばして下さって結構です。もちろん、イラクに付いてですが、まず、現状のイラクは、イラク人にとっても日本人にとっても不確定な要因を含んでいるのは確かです。しかし、その不確定さの意味は全く違います。イラク人にとっての不確定要因は、自らの将来の生活に対する不安も含めて、当事者そのものです。もちろん、私が言っているのは、死に巻き込まれる可能性も含めてです。そこへ、数十ドルのお金しか持たない日本の民間人が踏み込んでいく時に、イラクでぶつかり合うイラク人と日本人の不確定な要因の意味は全く異なるでしょう。その切実さや苦しみは、単純に共有できるものでもありません。しかも、日本人が行く意味には、不確実性を飛び越えて、確実な「死」に近い意味を含んでいる。そう考えると単なる「死」という概念を得るために本物の死を受け入れてしまうという無謀な行動になってしまう。私には、そんな死なんて考えれないというのが一点です。
 もう一つは、自衛隊のイラクへの派遣の是非はともかく、自衛隊員に同情するというのは、逆に彼等に対して失礼ではないかということです。もちろん、ご家族の心労などはわかりますが、それが彼等にとっての「仕事」であるのは事実です。
 例えば、20代前後の若者が自衛隊を志望する時に、憲法改正の可能性などを含めて、全く、今回のような状況になると考えないなんてあり得ないでしょう。実際に、武器使用はしないにしても軍事演習などがあるわけですから。「復興支援のために力を貸してくれ」と言われた時に「よし来た」という気持ちが全くないとすれば、それもおかしい事だと思います。とにかく、行った以上は、必死に頑張っている彼等に敬意を表すべきだと、私は思います。
 以上、2点について、私は茂木さんより2才ほど年下というだけの人間で、その華やかな経歴の足下にも及びませんが、この前の書き込みが中途半端な気がしたので、もう一度、整理して書かせていただきました。

投稿: | 2004/11/11 23:49:45

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