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2004/11/08

空前の科学ブームが来る?

上野の科学博物館の新館がグランド・オープン
したというので、でかけた。
 美しい。特に1階の生物多様性の標本展示と、
3階の大型ほ乳類の標本展示は必見。

 ださい展示も相変わらずあるけれど、だまされて
はいけない。
 五月雨式に、驚くほど美しく心に染みる展示
あり。見るべし。

 なんとなく、近未来に空前の科学ブームが
訪れるのではないかというヴィジョンが浮かんだ
のだが、そのことは、単に私の内面の投影
であったのかもしれない。
 そのことをきちんと説明しようとすると
やっかいになる。

 クオリアの問題に目覚めたのが1994年。
それ以来、ニュートン以降の精密科学では
主観の問題が扱えない、というその一点
だけを気にしていた。

 その過程で、私自身が、科学に否定的な
気分に傾いたことがあったのも否めない。

 複雑系の科学において、重視されている
「一回性」の問題も、統計的真理を扱う
科学ではどうしても扱えない問題に見えた。

 その後、文芸、アート、ビジネスと活動の領域が
広がるにつれて、ますます科学は相対的な
意味しか持たないような気がしていった。

 流れが変わったのは、この数ヶ月である。
 一つには、私が文学やアートという分野の
本質をある程度見切った点にあると思う。 
 私は、だいたいどんな分野でも、それに
慣れて何かを掴むまで、2年くらいかかる。
 クオリアに気がついたのも、脳を始めて
2年めだった。
 芸大で教え始めたり、文芸評論を書き始めて
2年経つ中で、ああそうか、と思い、
 そして潮流が変わった。

 たとえば、凡庸な文学作品の迂遠さが
気になるようになった。
 相変わらず作家になりたい、という人は
多い。
 文学カラオケ化と言われるゆえんである。
 そのような傾向を、何を迂遠なことを
やっているんだ、と思うようになった。
 一部の傑作を除き、文学とは
まさに迂遠な営みではないか。
 よっこらしょと物語を立ち上げ、
一人でああでもない、こうでもないと
紆余曲折し、ああ、疲れた、と終わる。

 アタマの悪いやつらがそんなもんを書いて、
アタマの悪いやつらがそれを読んだら、
どんなに悲惨なこと(=時間の無駄)に
なるか、ということは、火を見るより明か
であろう。

 アートについても、昨日の日記にも書いた
ように、「アートに群がってくる若者」たちの
独特の雰囲気が、現代日本の脆弱さの象徴
であるように思えてきた。
 アートって今来てるよね。
 とりあえずアート好きな私をアピールして
おけば、
 自分の恋愛偏差値が下がるなんてことないしぃ、
みたいな。

 もちろん、文学においてもアートにおいても、
真摯に道を究めんとしている人たちはいて、
結局そのような人たちしか友人として残って
いかないのだけども、両業界のそのような
構造だけは、よく判るようになってきた。

 (昨日の日記を読んで、
 束芋さんから、1月にイスラエルに
行くことに決めた、とメールあり。
椿昇、束芋はマジメにアートを考えている)

 今後、
 オレが何をすべきか、と考えたときに
浮かび上がってきたのがロゴスである。
 経験主義科学では足りない。
 数学主義では足りない。
 感性重視でも足りない。
 ITでも足りない。
 文学でも足りない。
 アートでも足りない。

 単なる経験科学や形式主義数学を超えて、
精神運動をとりわけその主体性においてとらえた
時に立ち上がる一種の論理と倫理。
 それがロゴスであって、そこにはクオリアも
何もかも含まれる。

 ぼくが科学博物館で見たまぼろしは、
そんな未来のヴィジョンで、
 空前の科学ブームが来る、といっても、
単純なる経験科学ではない。

 標本が、美しいアート作品のように展示されている、
あそこに精神運動としての新しい何かの可能性
を見た。
 しかしそれは太古からの伝統でもあるかも
しれない。

グランド・オープンした国立科学博物館の新館で
美しい標本展示に見入るカップル


 肝心なこと。内に緻密かつ美しいロゴスを
秘めている人は、もっともカリスマ的な人で
あるはずだ。
 ソクラテスを思い出せ。
 恋愛偏差値も高いと思うよ。
 見た目とか、雰囲気とか、そういうものに
流されている日本の若者は、単なる大脳切断
生物じゃないのか。
 セクシーじゃないね。単なる動物だね。
 何が、オタク文化万歳だよ。ふざけんじゃねえ。

 科学離れが反転して、科学ブームが本当に
くるかどうか、それは判らない。
 しかし、人間は結局欲望で動く生き物だからね。
 もっともセクシーな人間の在り方が、
 内なる緻密なロゴスの追求だということが
わかれば、
 流れも変わるんじゃないですか。

 現象として見れば、たくさんの人たちがいて、
皆、国立科学博物館の新しい展示にカンドーして
いたようだった。
 ぐぁんばれ、国立科学博物館!
 内なるロゴスの美しさを見せよ!
 なんちゃって作家、なんちゃってアーティスト、
なんちゃってクラバー、なんちゃってお笑い芸人
をぶっ飛ばせ!

11月 8, 2004 at 06:24 午前 |

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11月2日に新館オープンした,国立科学博物館。http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20041023「未来検索」で見てみても,新館の評判はかなり良い。http://sentak ... [続きを読む]

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コメント

sexy。人間の根本だと思います。
だって私たちの命を産むのは相変わらずsexなんですもの。

投稿: wenhui | 2004/11/09 1:46:14

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