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2004/10/06

噴水をまわりながら

一日でつかったお金が、タクシー代の
10ユーロだけ、というパリ滞在もそれで良し。

 マリーキュリー研究所の近くのオーディトリウムで
ソニーコンピュータサイエンス研究所パリの
シンポジウム。Luc Steelsが組織した。
 今年は私はしゃべらなくてもよい。

 Annetta Karmiloff-Smith(遺伝言語学)、
Miroslav Radman(遺伝子)、Alan Kay
(コンピュータ)、Uta Meta Bauer (アート
キュレーション)らが、「創造性」について
話すのを聴く。

 Alanは来れなくなったので、128K×3
のコネクションで、カリフォルニアからXerox
Parcの創世期の話などをしたが、これが滅法
おもしろかった。あの顔が大写しになって
創造性のための様々な秘密を語る。インスパイア
するトークというのはまさにこのようなやつだ。

 AnnettaとMiroslavは、知らないやつはもぐり、
というような著名な科学者だが、そのトークから
科学することの喜び、を感じながら、同時に私は
痛々しい思いを禁じ得なかった。

 この人たちが、科学の最良の部分を担っていることは
わかる。この喜びを知らない人たちは寂しい人たち
である。その喜びの中に取り込まれ、一生真摯に
努力することも尊いだろう。しかし、それでは、
私の解きたいと思っている問題は解けない。

 この人とは仲間だ、というような人は、結局私には
いない。
 どうすれば良いというのか。
 早くメソッドを見つけて、クオリアの科学で
一万人くらいの人が飯を食えるようにしたいが、道は
困難だ。

 Hotel de Crillonでのofficial dinnerで、
AnnettaやUta、それに柳川が最近「萌え」ていた
(ように思う)INSERMのStanislas Dehaeneらと同じ
テーブルになり、楽しく喋りながらも、胸がひんやり
した感覚は消えなかった。

 休憩時間に、一人会場を抜け出して、近くの
ルクサンブルク公園まで散歩する。
 パリの何でもない通りを歩くときに私を包む
空気が好きだ。

 ルクサンブルク公園の噴水を周りながら、
鬱々と一人考えていた。

10月 6, 2004 at 01:36 午後 |

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コメント

かぶとぼとけです。

「リュクサンブール公園にて」
という、クロスの詩を思い出しました。

堀口大學の「月下の一群」のなかに
あったように思います。
正確ではありません。
もう三十年もまえのことですから。

年老いた詩人が、
人生のかなしみを少女に語りかけると
いう詩でした。

私は二度パリを訪れましたが、
リュクサンブール公園には
行ったことがありません。

いつか公園を訪れる機会があれば、
先生のように、
噴水のまわりをまわってみようと思います。

投稿: かぶとぼとけ | 2004/10/06 21:54:31

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