2026/03/05

抹茶のグローバルな人気が沸騰

 

日本の発想の根底にある「なごみ」にはいろいろな形があるが、一つわかりやすい例は「抹茶アイス」だろう。

 

今や海外でも人気の抹茶だが、誰がどう見てもジャパンである。一方、アイスクリームは西洋伝来のもので、これをまぜあわせて、なごませると抹茶アイスができる。

 

このように、もともと起源が異なり、性質も違うものを共存させて、一つに融合させるのが日本の「なごみの道」であって、抹茶アイスはその典型だと言えるだろう。

 

最近では抹茶のグローバルな人気が沸騰していて、品薄なのだという。

 

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3月 5, 2026 at 06:46 午前 |

2026/03/04

金継ぎを通して世界を見る

 

 

「金継ぎ」のすばらしいところは、壊れてしまった器も捨てないで継いで、修復し、そのことによってかえって新しい「景色」が生まれて、味わいが生まれることだ。

 

 人生も同じで、そもそも壊れてしまっても続いていく。自分という存在は、継いで続けていくことで、味わいも出る。人間関係も同じである。

 

 金継ぎとは、自分の不完全さを受け入れ、人生の履歴を引き受けることである。

 

 金継ぎを通して世界を見ると、自分の通ってきた道がかけがえのないものだと感じるし、個性に対してやさしい気持ちになれる。

 

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3月 4, 2026 at 08:30 午前 |

2026/03/03

ヒースの大自然と同様、その土壌から結実するまでには、時間がかかる

 

 今日、#シラスフロントロー でエミリー・ブロンテの『嵐が丘』を取り上げるが、メンバーにとっても、私にとっても、メモリアルな体験になりそうだ。

 

 私は大学の時以来の再読だった。以前も英語で読んだ。

 

 舞台となっているヒースの大地を訪れたことがある。読みながら、文明と未開、生活と感情がぶつかるその世界と、あの荒々しい自然が溶け合って、なんとも言えない気持ちになった。

 

 『嵐が丘』は20世紀になって急速に評価が高まった作品で、ヴァージニア・ウルフなどがその真価を見出した。

 

 ヒースの大自然と同様、その土壌から結実するまでには、時間がかかる、そんな文学史上のカノンである。

 

 

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3月 3, 2026 at 07:44 午前 |

2026/03/02

終わったあと、晴天を見上げて

 ぼくは、フルマラソン、おそらく10回くらい? 走っていると思うのだけれども、もはや準備とか、細かいことをいろいろ言っても仕方がないと観念している。

 

 今回は、朝の計量が85.9キロだった。本当は、いつもよりも少しウェアを脱いで誤魔化したので、86キロ超えていたと思う。

 

 痩せないとヤバいとは思っていたのだけれども、果たせなかった。せめての抵抗として、最後の9日間、一滴もお酒を飲まなかった。宴会とかあって、飲め飲めと言われても、固辞した。

 

 東京マラソン2026。多くの方々の努力に支えられていて、感謝しかない。歩く時も、少しでも前に進んで、ということで敗北感なしで、これは戦略的に歩いているんだ、と思うことにした。

 

 ペースを上げると、本当に足が筋肉痛でかたまって止まるので、ポンコツはポンコツなりにがんばった。

 

 後ろから、収容のバスが迫ってくるので、それが気が気ではなかった。

 

 実質、6時間25分とかだったんじゃないかな。体重も所要時間も、最高記録だった。

 

 終わったあと、晴天を見上げて、ちょっとだけ涙が出そうになった。

 それを誤魔化して、もっとらしいツイートをした。

 

 無事に生きて、走ることができました。

 

 ありがとうございました。

 

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3月 2, 2026 at 06:42 午後 |

2026/02/27

偶有性のそよ風に吹かれるとき、人はもののあはれを知る。

 

 

先日、水戸に日帰りで仕事にうかがった時、帰りのプラットフォームで東京に戻る特急列車を待っていた。

 

向かいのホームに、小山行きの電車が泊まっていた。箱型の座席の進行方向に向かって、一人の男性が座っていらっしゃるのが、くもりガラス越しに見えた。

 

夕暮れ時。すっかりあたりは暗くなって、男性が座っている車内だけが明るく見える。

 

男性は、缶ビールのようなものを、おいしそうに飲んでいらした。

 

仕事が終わって自宅まで帰られるのだろう。水戸に会社があるのだろうか。そのようにして通勤されるのが、男性の日常なのだろう。

 

日が暮れる時間は、なぜか自分を囲む社会的文脈が解体されて、ひとりぼっちで世界に投げ出されているように感じることがある。

 

私がもし、この街に住み、生活している人だったらどんなだったろう。私もまた、あの男性のように、水戸発小山行きの列車に乗って、ああ、今日も仕事が終わった、とほっとする、そんな日常を送っていたのだろうか。

 

今いる自分がそうではなかったかもしれないという偶有性のそよ風に吹かれるとき、人はもののあはれを知る。

 

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2月 27, 2026 at 06:26 午前 |

2026/02/25

鯉は鯉のまま

 

 昨日は横浜に仕事でいったけれども、そしたら龍がいた。

 

 鯉の滝登りの伝説はみんなが知っている。鯉が登っていって、やがて龍になると言うのだ。

 

佐藤優さんが面白いことを言っていた。組織に入ると、みんな、トップを目指して出世しようとするけれども、上り詰めたって、龍になんか、なりはしない。鯉は鯉のままだ。

 

 つまり、偉くなると別世界に行ける、別の人になれるというのは幻想だと。

 

 むしろ、流水の中の魚は、同じ場所にとどまるために泳ぎ続けるようだ。

 

 生きる本能である。鯉の滝登りも、おそらくは同じ場所にいるためにこそエネルギーを使っている。

 

 ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』の中の「赤の女王」と同じである。

2月 25, 2026 at 07:58 午前 |

2026/02/23

確かに私の椅子の可動域は増えたけれども、座っている人がアホだとこうなる(笑) クオリア日記

 

私は「一人学級崩壊」と言われるように動き回っている。

 

 昨日のセッションのこと。壇上に4人のパネリストが座って、いろいろ話していた。他の方は落ち着いて座っていたけれども、私は立ち上がって動き回っていた。

 

 しばらくセッションが続いて、椅子に座ってうごうごしていた時のことである。

 

 突然、椅子が後方に倒れた。私は、高さ30センチくらいの壇上から、背中の方へ椅子ごと落ちてしまった。

 

 ああいう時は、うわあ、とスローモーションになる。会場からうわっと声が上がったが、私は案外冷静に、後ろにすわーんと落ちていった。

 

 落ちたまま、椅子ごとひっくりかえっているので、自力では立ち上がれず、何人かが来て起こしてくれた。

 

 いやあ、みんなびっくりしたろうなあ、ぼくもびっくりしたけど(笑)。

 

 心配されたけど、幸い、なんの怪我もなく、ただびっくりしただけだった。ぼくは椅子に座り、再び、何事もなかったかのように話し続けた。今度は、話しているうちに椅子がまたずれていかないように気をつけていたけど(笑)。

 

 情けなかったのは、落ちる少し前に、「知性というのは可動域が広くなったときに初めて本当に鍛えられる」とか言っていたことだった。

 

 確かに私の椅子の可動域は増えたけれども、座っている人がアホだとこうなる(笑)。

 

 そして、しばらくして、尊敬し、親しくさせていただいている桂文枝師匠の芸を思い出した。

 桂三枝の頃から、『新婚さんいらっしゃい』で、椅子から転げ落ちる芸をされていた。

 

 ぼくは、桂文枝師匠ゆずりの芸をやったことになるのだろうか。そんなわけないだろう!(爆)

 

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2月 23, 2026 at 08:06 午前 |

2026/02/22

To do listは外に書かず、脳の中にイメージする。

To do listは外に書かず、脳の中にイメージする。

 

 

 ぼくは、外部にto do listをつくらない。

 立派なリストをつくったとしても、まずは、それを書く時間がもったいない。

 

 何か書くとしたら、実質的に意味があることだけにしたいと思っている。

 

 リストをつくっただけで満足してしまっている人もいっぱいいる。

 

 リストは、頭の中にあって、常にアップデートされているのだ。

 

 何よりも、突然、やるべきことが降ってくることがある。

 

 その際、いちいち外部に書いてあるリストを直すのはまどろっこしいし、意味がない。

 

 むしろ、脳の中にあるリストを即座に変えて、優先順位を入れ替えて、対応すればいいのだ。

 

 長年そのようなことをやっているので、頭の中には短期から長期までやるべきことがイメージされていて、次になにをやるべきか、next token predictionならぬ、next action predictionを常に更新していく。

 

 To do listは外に書かず、脳の中にイメージする。

 それが私の流儀だ。

 

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2月 22, 2026 at 07:43 午前 |

2026/02/21

部屋の中をぐるぐる歩き回りながら本を読むのが好き (クオリア日記)

 

 

 マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』はすさまじい読書体験だったが、続いて、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を読み始めている。

 

 主宰しているシラスの番組は、もはや修行、体育会系となっていて、このあともProject Hail Maryなどが続く。今年はトルーマン・カポーティーの『冷血』も読んだ。

 

 大変だけれども、みんな楽しんでいる。

 

 『侍女の物語』は『1984』や『素晴らしき新世界』、そして『華氏451』と並んで、ディストピア小説の古典となっている。英語圏では、高校や大学の課題図書としても読まれているらしい。一方で、その論争的な内容から、禁書扱いされているところもある。

 

 アトウッドが、『侍女の物語』に書かれていることは、すべて歴史の中で実際に起こったことだと言っているのは本当に深いし偉大だ。

 

 ぼくは部屋の中をぐるぐる歩き回りながら本を読むのが好きだ。外に行って走ったり、人に会うのも好きだけれども、部屋に閉じこもって本を読む時間は、至福の時だ。もっとも、その時ぼくはじっとしていないで、ぐるぐる動いている。

2月 21, 2026 at 05:51 午前 |

2026/02/20

涼しい顔でスタジオに戻った私は、上野くんに、すっかり余裕をかましていた。 (クオリア日記)

ウルトラサイエンスの収録のあと、TBSの食堂で、竹下隆一郎(ライアン)さん、東大の戸谷友則先生、そして講談社のブルーバックス編集部の柴崎淑郎さんでランチを食べていた。

 

ふとスマホを見ると、航空会社から、フライトの案内が来ている。もう少しでこのターミナルから出る、などと記されている。

 

ん???

 

僕は今赤坂にいて、今日飛ぶ予定はないんだけど。。

 

無視して、数分経ってからまた見たら、再び通知が来ている。

 

その瞬間、稲妻が走った。

 

ひょっとして!

 

ぼくは動揺を隠して、にこやかに食事して、荷物を置いていたスタジオに戻った。

 

スタッフで、一橋大学大学院の学生でもある上野裕太郎くんに「オレ、ちょっと行ってくるわ」と声をかけ、パソコンを握りしめ、少し離れたところに行って、座って確かめた。

 

やっぱり!

 

ちょうど一ヶ月後の、3月20日のフライトを予約したつもりが、2月20日のをとっていた。一ヶ月バグっていた。

 

やばっ!

 

今日のフライトが無駄になるのは仕方がないとして、一ヶ月後のフライト、もう満席かもしれない。

 

急げ!

 

あわててアクセスして調べると、あと3席しかなかった。

 

うわあ!

 

震える手で、予約して、無事確保した。

容疑者、ではなくて、座席、確保!!

 

島からのフライトは、下手をするとすぐに満席になる。

 

私の脳裏には、すみません、すみませんと言いながら、飛行機の代わりに高速船に乗り、ややこしい自業自得なルートで次の目的地に移動していく、アホな男の末路がすでに見えかけていたのだ。

 

それにしても、さっき食堂で通知を見た時には、誰かが自分になりすましてフライトをとっているのか、それとも・・・と体温が明らかに下がったのである。(笑)

 

まじでやばかった。でも、良かった。

 

「いやあ、どうしているかね?」

 

涼しい顔でスタジオに戻った私は、上野くんに、すっかり余裕をかましていた。

 

大人でいるのも大変だ。

2月 20, 2026 at 02:10 午後 |

横尾忠則さんの創造の宇宙の片隅をかすって飛んだ。クオリア日記

 
 
横尾忠則さんのアトリエを訪ねて、いろいろとお話をした。
 
芸術のこと、人生のこと、アカシックレコードのこと、三島由紀夫のこと、村上隆のこと。本当にいろいろ。
 
横尾さんの絵がたくさん並んでいる中で、会話を交わしていくことはほんとうに幸せだった。
 
横尾さんは、私は原色しか使わないんだ、使えないんだと言った。
 
自分には色はわからないのだと。
 
代表作のY字路シリーズ。描き始める前に、美術史上、誰かやっている人がいたらやめようと精査したそうだ。
 
パリの街を描いたユトリロも、Y字路の構成はしていなかったということで、描き始めたとのこと。
 
お昼の時間になって、横尾さんが大好きだという「椿」のとんかつをいだいた。
 
ヒレカツとロースがあって、ぼくも横尾さんもヒレだった。
 
ランチのあと、アトリエのまわりを少し歩いて、そして再び午後、横尾さんとお話した。
 
創造することって、生きるって素晴らしい。
 
横尾忠則さんの創造の宇宙の片隅をかすって飛んだ。
 
横尾さんの訪問客ノートに書かせていただき、また横尾さんの新潮新書『運命まかせ』にサインをいただいた。
 
(クオリア日記)
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2月 20, 2026 at 07:06 午前 |