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2010年1月13日 (水)

フルーツを持ち帰ってくるような

 ゲストへの質問は、あらかじめ取材したディレクター、デスク、それに有吉伸人さんが相談して決めているものもある。その一方で、私は住吉美紀さんが話しているうちに思いついて、その場で聞くこともある。
 雑誌や本などの対談を私はたくさんやってきたけれども、テレビのインタビューには、これらの活字メディアとは異なる難しさと、面白さがあった。
 新聞のように文字数が限られている場合は別だけれども、雑誌や本では、基本的に発言した内容はすべて掲載される。だから、話が一連の流れの中で組み立てやすいし、いろいろと細々としたことについての対話も積み重ねることができる。さまざまな種類の樹が生い茂った森のような姿をいかつくりあげるか。そのような気持ちで、話をしていけばよい。
 一方、『プロフェッショナル 仕事の流儀』のような地上波テレビの番組では、放送時間に制約がある。
 放送で使えるのは、本当に短いやりとり。そこに、きらりと光る珠玉の言葉があればよい。しかし、人間の生理というものは不思議なもの。いきなりすばらしい言葉を吐いてくださいと言っても、そういうわけにはいかない。結局は、積み上げて、言葉が往還し、心が動き、響き合って初めて会話の流れが出来上がっていく。
 本当は、雑誌の記事や、一冊の本ができるくらいのやりとりをしている。その中で、ほんの少しの言葉のやりとりを、最終的には編集して、放送する。ちょうど、様々な木の生える森を歩き、見つけたフルーツを持ち帰ってくるような。そんな贅沢なプロセスで、スタジオのトークは編集され、放送されていった。

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コメント

茂木健一郎さま おはようございます。雨上がりのお日さま、いつもよりゆっくりと大地を包みながらのぼっていきます。今日も優しい笑顔で。プロフェッショナル仕事の流儀も、私のこころに優しく、いつも何かを語りかけてくれます。昨日の番組の中から、浅川さんを通して、「人生の喜びを手にするには目の前の大きな山を、苦難を楽しみながら超えて行かなければ、出会うことはないのかもしれない」と思いました。浅川さんは、人生に大きなハンディーを抱えながらも、現実を前向きに自覚して、常に努力と根性で試練と戦っていく彼女の心は、人生の未知数て溢れているのだな〜と感じ入りました。浅川さんの心の辞書には、試練という言葉はないのかもしれませんが、茂木先生がいろいな方との出会いで、こころを豊かにたもたれていける時を大切にしてらっしゃるのをほんの少し実感しています。

投稿: とう華 | 2010年1月13日 (水) 09時07分

こんばんは 茂木サン 。雑誌や 本は 筋道をたて 内容を正確に伝える事であり、プロフェッショナルは 映像で 9割と 質問と 流儀の言葉で構成される。
映像の比重が大きい。
どんな素晴らしい流儀があっても 映像で出演者の仕事ぶりや お人柄が分かるから、

感動するのです。

皆さん、ありがとうございます。

投稿: サラリン | 2010年1月13日 (水) 23時36分

そのフルーツ、大事に思います。

投稿: | 2010年1月14日 (木) 01時34分

諦めなければ道は開ける、この言葉が胸にずしりとじんわれと響きました。

投稿: サフラン | 2010年1月14日 (木) 10時44分

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