カメラ・リハーサル
収録のやり方にも、いろいろと新鮮な驚きがあった。たとえば、「カメラ・リハーサル」。私と住吉美紀さんが、V字テーブルに座る。ゲストの方はまだいらしていないので、大抵フロア・ディレクターの山口佐知子さん(さっちん)が代行する。
この「カメラ・リハーサル」というのを、私はずっと私たち自身がどのようにして身振り手振りをしたらいいか、という練習をするものだと思っていた。ぶっつけ本番ではなくて、あらかじめ一通り段取りを押さえておかなければならない、ずいぶん丁寧にやるものだな、と思った。
それが、あれは10回目くらいの収録だったろうか、突然「ひょっとして、これは、カメラの人たちのリハーサルなのではないだろうか?」と気付いた。ゲストが仕事道具を持ってくる。それを、V字テーブルの横から、上へとぽんと置く。その様子を、カメラの人は追わなければならない。あらかじめ、どのような絵を撮るのか押さえておかないと、本番はやり直しが利かないから困ってしまう。
私と住吉美紀さん、それにゲストの方とのやりとりも、どのようなアングルからどのように撮るのか。あらかじめ把握して置いて、副調整室と合意しておかなければ本番で困る。
いろいろ考えると、どうやら、「カメラ・リハーサル」というのは、出演者のリハーサルではなく、カメラのアクションのリハーサルらしい。逆に言えば、カメラの動きというのは、それくらい自由度が高く、その操作に気を使わなければならない。そんなことに、収録10回目くらいにして、ようやく気付いたのである。
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コメント
茂木サン、 2日夜 9時からの「龍馬伝Xプロの流儀」楽しみです。
どんな龍馬サンや 福山サン、茂木サン の 多面性が
見られるのかな。
お正月 ようやくゆっくり番組を 拝見できます。
投稿: サラリン | 2010年1月 1日 (金) 22時54分
茂木健一郎様
はじめまして。
あけましておめでとうございます。
大晦日から元旦にかけて、ご著書「脳が変わる生き方」を読ませていただきました。とってもおもしろかったです。いろいろと教わりました。そして、茂木さんの熱意を、読みながら受け取ったような気持ちになりました。ありがとうございました。
今後もご活躍をお祈りしております。
http://ameblo.jp/wayang/entry-10424906481.html
投稿: Yuri | 2010年1月 2日 (土) 01時17分