魂の会話
初めての収録の日、スタジオのセットを見た時の感激は忘れられない。「うわーキレイだなあ!」と思わず叫んだ。
美術を担当したのは、山口高志さん。有吉さんが、「あいつは天才なんですよ」と褒めちぎる、凄腕の達人だった。スキンヘッドの山口さんは、眼光鋭く、しかしそれでいて目に柔和な光をたたえていて、ひと目見て信頼できる人だなあ、と思った。
山口さんは、その後、確か福岡放送局に転勤されたのではないかと記憶している。その後渋谷のNHKに戻ってこられたのだと思う。『脳活用法スペシャル』や、『龍馬伝スペシャル』など、特別な収録の時は山口さんが新たにスタジオのデザインをして下さった。山口さんは、ずっと『プロフェッショナル 仕事の流儀』のスタジオ・セットのデザインにかかわり続けて下さったのである。
番組のトレードマークともなった「V字型」テーブル。光は下から当たるようになっていて、有吉さんたちは「モナリザ・ライト」と言っていた。その語源がどこにあるのか、未だに知らない。おそらくは、「モナリザのようにきれいに映る」というような意味なのだろう。
スタジオ・セットの一番の特徴の一つは、有吉さんたちが「星球」と呼んでいた色とりどりの光だった。ゲストと熱い話を交わしていると、その背後で美しい光が輝いている。この「星球」たちに包まれていると、まるで私と住吉美紀さん、それにゲストの三人だけが、世界から遠く離れて、宇宙空間の中でじっくりと「魂の会話」を交わしているように感じられるのだった。
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コメント
茂木健一郎さま
おはようございます。朝の風が少し冷たさを感じます。今日はあまり気温があがらないのかな?と思っています。お出かけのさいは、コートをお持ちになっていらっしゃると夜は寒さに負けない気がします。どうぞ暖かくしてお仕事頑張って下さい
m(_ _)m
。☆星の輝きはナイーヴな優しさを含んだ光ですね!いつも先生のまわりに優しい光が満ち溢れていますように
。
投稿: とう華 | 2010年1月 7日 (木) 09時53分
茂木健一郎様
茂木さん、宇宙に行っていらして
プロフェッショナルの『魂の会話』を
されていらしたのですね。
とても深く芯部に響く会話とはとういうものは
そういうものなのですね。
投稿: Yoshiko.T | 2010年1月 7日 (木) 11時55分
『プロフェッショナル』の初回の放映が始まったとき、最初に印象的だったのは、あの宇宙空間のようなバックにたくさんの「星」が輝く、素敵なセットだった。
思えば、あのセットの幻想的な美しさに引き込まれながら、番組を拝見させていただいていた気がする。
これからもプロフェッショナルのかたがたとの「魂の会話」が見られることを、期待しています。
投稿: 銀鏡反応 | 2010年1月 7日 (木) 23時21分
おはようございます 茂木サン 。
仕事の流儀の スタジオは 本当に色鮮やかな 光輝くセットでした。
まるで天の川の上に 浮かんでいるように。
そして 至福の時。
空間の魔術師 ですね。素敵な お仕事です
投稿: サラリン | 2010年1月 8日 (金) 01時23分