どのような心理状態で
どうやって、決まったことをリラックスして言うか。そのセルフ・コントロールの模索は、不思議な感覚だった。頭の中にやわらかい玉があって、それをぎゅっと縮まる。ある程度縮めないと、集中できずに間違う。しかし、力を入れすぎると、ぎこちなくなってしまってそれが表情に表れる。
その場で即興で話す分には何の苦労もないのに、決まり事を言うのが苦手だとは、つくづく因果な脳みそを持っているものだと自分でも思った。
集中とリラックスがうまくいって、春風が吹くようなやわらかい感じで言えることもある。そんな時には、様子を見ていた有吉伸人さんから、「今のは良かったですね」という声が飛ぶ。
さすがに、プロデューサーというのはよく見ているものである。逆に見れば、それだけ細かいニュアンスまで顔の表情には見えてしまうということになる。テレビの画面に映る人の表情というものは、そんなに誤魔化しができるものではない。だからこそ、どのような心理状態で収録に臨むかが大切になる。そんなことを、経験から学んでいったのである。
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コメント
茂木健一郎さま ほんの少しだけ、風の中に春の香りを感じながら、今日も、茂木先生のブログにお尋ねさせていただいております。茂木先生のテレビのお仕事の緊張感をほぐすのは頭の中のたまなのですね。それが、どんなたまであるのかわかりませんが、きっと真綿のように柔らかく、海のように青く、お月さまの癒やしの光を兼ね揃えているのでしょうか!映像の中にいらっしゃる先生は、いつもご自分を見つめている余裕あるこころもあるのだと感じております。
投稿: とう華 | 2010年1月23日 (土) 11時51分
こんにちは 茂木サン 。昨年から 家族に 大事な時は 「リラックス&集中」と 言っていました。
それは 「フロー状態」で 一番力が発揮される脳の状態だったとは。
ますます 「リラックス&集中」したいと 思います。
あと呼吸の吐く息を長くすると、 落ち着く と聞いた事があります。
吸って ふーーーー。

投稿: サラリン | 2010年1月23日 (土) 13時07分
確かに、今日はなんとなく、緊張してるような・・・
と感じる時もありますが、
次回から、そういったところも注意深く観察しつつ、
番組を見ます。
茂木さんの意外な一面が発見できるかも
ですね。
投稿: OKAZAKI | 2010年1月23日 (土) 18時12分
*お邪魔できなかった記事をさかのぼって読んでいます
毎回先生の息遣いを感じるような、とても新鮮な文章です
まだ勤めていたころ、楕円のサークル上で会議室の椅子に座っているときなど、 徐々に私の発言のときが近くなってくると、一瞬一瞬に、心音が高くなり、動悸がしてくるのを感じ、隣の人の会話の終了と同時に緊張がバトンタッチされ、みんなの心の視線が刺さるようにとんできて痛いほど、でも、いざ話を始めてみると、あなた落ち着いてゆくりゆったり話をなさり、どうして私は揚が症なんておっしゃるの・・?などと、よく言われました、 録音で後に聞かされると、そのときの私の心情とはまったく違っている私なのです、
激しい鼓動は他人には聞こえていないし、顔面のこわばりは見えないし・・^^ 緊張のスパイラルって、内と外では見え方が違いますね^^ 本人だけが知っている緊張のスパイラル、^^今では懐かしい心の動きです
慣れというものはかなり人柄を違えて見せるかもしれませんが、本質は変わらない!
繰り返して観察すると、人柄は必ず見えてくるように感じます
先日のサインをいただいた折にも、脳梗塞にでもなりそうに血が頭に上っており、いい年をして、格好悪いわよ!っと脳に急ブレーキをかけている音がするようでした^^
おばあちゃんの心を揺らすほどの茂木先生の魅力は、
いったいどこに潜んでいるのでしょうね・・・・^^
茂木先生はご存じないでしょうが、おばあちゃんたちの心も、時には揺れるのですよ、(^^)
reiko.G
投稿: reiko.G | 2010年1月28日 (木) 13時24分