そのような詳細を知らないままに
木村秋則さんとは、番組の収録が終わった後も、何回か会っている。会う度に、そのお人柄に惹きつけられる。
どんな人にも意外な側面があるものと思うが、木村さんにも、収録の時には知らない側面があった。それは、木村さんがメカやコンピュータに強いということである。
青森の自宅で、オートバイのエンジンを改良して機能を上げたり、自分でコンピュータを組み立てたりしていたという。何でも自分でやる。そのような創意工夫の人なのである。
木村さんは、りんごの無農薬、無肥料での栽培という偉業をなしとげて世に知られたが、何をやっても大成した人なのではないかと思う。エンジンを改良したり、コンピュータを組み立てたりするということは、つまりは「システム」としての思考ができるということ。
徹底的に考え、さまざまな要素に思いを巡らせる。そのような木村さんの志向性がなければ、無農薬、無肥料でのりんごの栽培は成功しなかったろう。
不思議なことは、木村さんの人生のそのような詳細を知らないままに、スタジオでは木村さんのエッセンスが伝わってきたこと。人生が濃縮されて、こちらに感染してくる。『プロフェッショナル 仕事の流儀』のスタジオには、そんな力があった。
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コメント
茂木サンや 「プロフェッショナル」スタッフ皆さんの仕事に対しての意欲や、
出演者の皆さんを 可能な限り取材した結果が
全てを伝えずとも、
感じ取れる(クオリア・・・)なにか がそこに在る。
どんな事でも 楽しみながら まじめに 取り組む。
という姿勢が 大事なんですね、茂木サン 。
投稿: サラリン | 2010年1月17日 (日) 01時06分