ベルトの方向
毎回の収録で、服装を整えて下さっているのはうえだけいこさん。番組のコンセプトに合った出で立ちを毎回考えてくださる。私はなにしろ一年中同じ格好をしているので、私服ではとてもスタジオで耐えられない。うえださんには、いくら感謝してもしきれない。
収録が始まってすぐに、一つの発見があった。それは、ベルトの仕方である。
私は、子どもの頃から、ベルトというものは腹の前から右の方に回していくものと思っていた。ベルトを通す時は、自分でお腹を見下ろして、右から左へと通していくものと思っていた。
ところが、うえださんがあらかじめベルトを通してくれたズボンをはこうとすると、逆方向に通っている。つまりは、自分でお腹を見下ろした時に、左から右へと通してある。
服装に関しては、何しろ、私は何も考えていないというのが実態だから、きっとうえださんのやり方が正しいに違いないと思った。ベルトの方向というものはプライベートな経験で、いちいちお互いに比べるということはしないから、私のものごころついて以来の「間違い」が発覚するまでに、40年もかかったのである。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』にかかわって学んだことの一つは、ベルトの方向である。
もう一つ、うえださんに教えていただいたことがあった。ジャケットのボタンをとめていたら、うえださんに「全部とめてはいけません!」といわれた。
「ジャケットのボタンというものは、一番下はとめないでおくものなのです。」
「えっ。そうなんですか? いつも?」
「そうです。いつもそうです。そういうものなんです。」
この年になるまで、ジャケットのボタンは一番下は開けておくものだとは知らなかった。
ぼくは、服装について何も知らないままに、生きて来た。『プロフェッショナル』がそのような間違いを直してくれたのである。
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コメント
茂木さん、おはようございます。
わたしもJKの一番下は開けておく事は知りませんでした。
ちなみに、ズボンはウエストの部分が右上前と左上前の両方あり、
つまり右側が上になっているズボンと
左側が上になっているズボンですが
上になっている側からベルトを通しがちなんだろうと思います。
あれ、違うかな。
右利きだと右から左の方がやりやすいから かな?
服は都合よく作ってある事が多いですよね。
日本の女物は左上前が多いです。
紳士服はどうなんだろう?
あ〰ボタンもベルトもわたしは理由が知りたい〰!!
調べてみます。
投稿: 光嶋夏輝 | 2010年1月 4日 (月) 09時18分
ベルトの通し方は、自分のお腹に向かい
おへその左から始まりおへその右側にくる順番で、
最後は左手に持ったバックルに右手のベルトを通して終了。
その様にしてきました
あらら~。うちの子供もそうしてます。
投稿: 直 | 2010年1月 4日 (月) 09時52分
茂木先生~
私可笑しくて可笑しくて~
パソコンの前で、声たてて笑ってしまいました^^
先生は、なんで可笑しいの・? って思われるでしょうが、とにかく、理屈なし可笑しいのですよ!
学生の頃、北海道に旅したとき、
登別温泉の大浴場で、学内一の評判高い美人の友人が
脱ぎ場で、上品に脱いでいき、一番最後にソックスだけはいてる後ろ姿を思い出しました、おかしくておかしくて・・
私、もちろん笑ったりしませんでしたが、心の中がかゆいほど可笑しくて、彼女の後姿が今でも目に残っています、普通って思ってることって、みんな違うのですよね
スタートがどこであっても結果は同じ、^^
「そうです、いつもそうです、そうなんです]の言葉
いいですね~大好きそういう教え方、(笑)
reiko.G
投稿: R.グランマ | 2010年1月 4日 (月) 13時19分
( ^ω^ )ベルトの巻き方の説明って難しいですね。ベルトの上側(外側ではない)を、バックルを起点にして人が走るとしたら、トラック競技のように時計周りと反対方向に走ることになる。これが正しい巻き方である。???
私は高校で英語講師をしていますが、来週から始まるセンター試験は、説明文を理解するほうが難しいのです。
投稿: ゆ~ | 2010年1月 9日 (土) 12時17分
ベルトの方向は、私も違います…茂木さんと同じとは、嬉しいかぎりですが。
逆さでも大丈夫なデザインをよく買いますが、気に入ってるベルトは、字が入ってるのでその時だけ、反対にします(笑)。
先日、インドで買ったベルトは、日本と反対向きでした…メーカーとか国とかの規定があるのでしょうか??
投稿: 毎日、ガマン大会 | 2010年1月 9日 (土) 20時12分