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2009年9月11日 (金)

立ち止まること

北海道で酪農を営む
三友盛行さんがゲスト。

三友さんは、「マイペース酪農」
で知られるカリスマ。

近代酪農は、ひらすら規模の
拡大を目指して疾走してきた。

できるだけ多くの牛を飼うために、
輸入飼料を与える。牛乳の
量を増やすことを考える。

その結果、もともとの土地の
キャパシティを超えた生産を
実現する。

それに対して、三友さんの
酪農は、無理をしない。
土地の草を食べて生きていける
だけの牛を飼う。

飼育頭数は、同規模の酪農家
に比べて、5割程度。
一頭あたりの牛乳の量は、
6割程度。

それでも、遜色のない収益を
上げる。
大規模酪農に重くのしかかる
高コスト構造がないからである。

牛乳の味も違う。

「草を食べた牛のミルクは、なんとも
言えない良い香りがするんですよ」
と三友さん。

考えてみれば、土地が草をつくる。
牛が草を食べる。その牛が、牛乳を
出す。

してみれば牛乳は大地の恵なのだろう。

「チーズやバターを作ると、その土地土地
で違うんですよね。」

ヨーロッパでは当たり前の、各風土の
個性を反映した乳製品作り。

日本では、乳製品を「工業製品」
のように考える発想が強すぎたのではないか。

立ち止まることが大切だと、
三友さんは言う。

量的拡大を目指すのならば、ずっと
走り続けなければならない。
しかし、質的充実を図るのならば、
立ち止まることが大切。

「目の前に広がるこの土地が、
私の人生のすべてであると、
覚悟を決めることですな」
と三友さん。

三友さんのマイペース酪農の背後には、
深い生の哲学がある。

三友さんの農場を訪れ、
その笑顔に触れたいと心から思った。

放送を楽しみにしていてください。

あなたの人生が変わるきっかけに
なるかもしれません。

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