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2009年8月21日 (金)

根っこ

夏休みが終わって、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録が再開する。

再開第一回目のゲストに、
漫画家の井上雄彦さんが
ゲストでいらっしゃる。

『SLAM DUNK』や『バガボンド』など、
圧倒的なクオリティの高さと、
一億冊以上を売り上げる人気。

まさに現代の日本を代表する
漫画家、井上さん。

天才の創造性の秘密を
うかがうことを、楽しみにしていた。

自らの感性で、作品をつくって
いく井上さん。

『バガボンド』もまた、吉川英治
『宮本武蔵』を原作としつつも、
むしろ「現代」を描いているという。

確かに、『バガボンド』において、
宮本武蔵も、佐々木小次郎も、
今風の若者であるように感じられる。

そこには、ほんの少し未来の世界が
先取りされているようでもある。

自らの感性を掘り下げて創造する
ということと、人気を得るということは
どのように両立するか。

井上さんは、「自分の奥へと掘り下げて
いくと、そこに普遍的につながる根っこの
ようなものがあるんじゃないですか」
と言われた。

「中途半端に、かっこをつけたり、
自分を守っていたりすると、根っこには
至れない。ありのままに自分を
見つめて、その底にある根っこに
ぶつかれば、そこでは人間である以上誰でも
同じだから、自分の感性を追っていても、
みんなが感動する普遍に到達できるのでは
ないでしょうか」と井上さん。

井上雄彦さんは、自分の実績も
あって、感性を追求することが
できる立場を得た。

まだ発展途上の若者はどうすれば
よいか。

「自分に正直でいることではないでしょうか」
と井上さん。

「ごめんなさい、ぼくはこうなのです、
と丁寧に伝えていけば、周囲も、
あの人はそういう人なんだ、と諦めて
いくと思うのです。」

「諦める」という言葉使いに、
井上さんならではの現場感覚が感じられた。

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コメント

おはようございます。
井上雄彦さんに会われたのですか・・・。
羨ましいです。
一体、どんな方なのだろう。
想像がつきません。先生の記事を読んだだけでも、その凄みは伝わりました。まして、目の前にしたときは・・・きっと宮本武蔵が目の前にいる感じなのかもしれませんね。

「諦める」

いい言葉です!

投稿: 稲吉啓史 | 2009年8月21日 (金) 10時33分

おはようございます。
漫画家 井上 雄彦サン の 「自らの感性を掘り下げて、創造する」

ありのままの自分を 見つめて行く !

凄く 共感します!

番組の中で どんな言葉として 話されるのか

とても 楽しみです 。

投稿: サラリン | 2009年8月21日 (金) 10時40分

相手の都合や立場をどれだけ汲もうとしても、
その上で発進させる自分の言動は自分の都合なんだ
と最近感じています。
感受性を大事に、鈍牛のようにもなって。

自分に正直に「ごめんなさい僕はこうなんです」
っておっかないけれど、
大事な存在であればあるほど大切なのかもしれませんね。
とりあえず、一人に打ち明けてきます。

投稿: frog-3 | 2009年8月21日 (金) 13時57分

『PLUTO』『20世紀少年』などで知られる浦沢直樹さんと並んで、日本の漫画界の最先端に立たれる井上雄彦さん。

やはり、本当の本物になるには、言われるように、自分の感性のままにまた己に正直になりつつ、普遍的な根っこと言うべきものを掘り当てるまで、努力し続けるしかないのでは、と思うしかない。

芸術家として『本物の中の本物』の人は、きっと人間としても本物のはずだ。

微々たる力でもいいから、私も人間として本物を目指したい。

投稿: 銀鏡反応 | 2009年8月21日 (金) 20時34分

こんばんは 茂木サン 。
茂木サンのお言葉、 書き込みされている皆さんのお言葉
その通りです 。
そこは もう全てを 受け入れます。
凄く 気持ちが 温かいです。ありがとうございます。

言葉は 後から 理解したり、 思いが伝わったりします。
私もできるだけ 温かい 言葉を発言するようにします。

いつも 広い御心で 私達を 包み込んでくれる
茂木サン へ

投稿: サラリン | 2009年8月23日 (日) 00時56分

茂木さん、こんばんは。
はじめまして!
いつもご本やblogを通じて
いい刺激をいただいています。
ありがとうございます。

子供の頃、SLAM DUNKが大好きで、何度も何度も読みました。
読みながら色々なことを感じ、学んだ漫画です。

>「中途半端に、かっこをつけたり、
自分を守っていたりすると、根っこには
至れない。ありのままに自分を
見つめて、その底にある根っこに
ぶつかれば、そこでは人間である以上誰でも
同じだから、自分の感性を追っていても、
みんなが感動する普遍に到達できるのでは
ないでしょうか」

>「ごめんなさい、ぼくはこうなのです、
と丁寧に伝えていけば、周囲も、
あの人はそういう人なんだ、と諦めて
いくと思うのです。」

紹介してくださった井上雄彦さんの言葉、
強く共感します。


また、「人間である以上誰でも同じ」「根っこ」
というところに、昨年英国できいて、深く印象に残っている、
Karen Tseの言葉を思い出しました。
"We can connect to something universal."
途上国での人権問題に取り組んできたKarenが、
これまでの取り組みで国や文化の違いから
苦労したことはないか、ときかれて、その問いへの
こたえの中に、でてきた言葉です。

Karenは、カンボジアで囚人を拷問していた警察官と彼女が
いかに信頼関係を築いたかというエピソードを紹介していました。
いくら拷問は違法だ、人権侵害だと言っても変わらない
警察官に、彼女は違ったアプローチを試みます。
「あなたはなぜ警察官になりたいと思ったの?」
とたずねると、驚いたことに警察官は、
「子供の頃からずっと目にしてきたカンボジアでの
暴力をなくしたいと思った」
とこたえたと言います。
「それって素晴らしいわ。でも、今あなたが実際に
していることってどうかしら?何か矛盾がない?」
そうして、Karenのミッションと共鳴する、警察官の
いわば「根っこ」の想いに触れたことで、物事が動き始めた
("That's where things started to work out.")
のだと、彼女は話してくれました。

随分文脈は違いますが、
ご紹介いただいた井上雄彦さんの言葉にinspireされて、
人間に共通する「根っこ」ってあるよね、
と、希望をこめて、改めて、思ったのです。

井上さんの回、放送が楽しみです。
普段テレビはほとんど観ないのですが、
録画してぜひ拝見します!

茂木さん、いつも刺激をありがとうございます^O^
これからも応援しています☆

投稿: 39 | 2009年8月23日 (日) 22時14分

こんばんは、茂木さん。

プロフェッショナルの再開楽しみです。
現在高校の教師を務めていますが、授業でもプロフェッショナルのDVDを使わせていただいております。

本来なら私自身の言葉で生徒にメッセージを伝えるべきですが、プロフェッショナルを見せることによって、教師では伝えることのできないメッセージも伝えることができると思います。

今後も楽しみに拝見させていただきます。

投稿: 半人前教師 | 2009年8月25日 (火) 22時14分

最近、自分を貫くことが正しいのか、つっぱらないで柔軟に社会に順応することが正しいのかわからなくなってきました。


そんなことを考える自分にとって「自分を掘り下げれば周りの人ともつながる」という考えは一筋の光になりました。


まだ自分の中に府に落ちる答えはありませんが、井上さんが生きてきた世界にヒントがありそうな気がします。すごく興味深いです。


放送楽しみにしてます。あと毎回見てて思うのですが、茂木さんの質問がすばらしいです。そこが聞きたかった!というところを突いてくださるのでそこがまたおもしろいです。次回も期待してます。

投稿: アマチュア学生 | 2009年9月 3日 (木) 01時54分

はじめてコメントさせていただきます。
井上雄彦さんの放送を見て、HPを見て、茂木さんのプロフェッショナル日記を見て、コメントさせていただこうと思いました。
井上雄彦さんのような方でも原動力はほめられたり、作品を待っている人のためだったりするんだと感じて、やっぱりそうだよなと感じると同時に、それってすごいことだなと思いました。
そして自分の想いや考えを作品に載せて実行してしまう行動力に非凡さを見た気がします。
人は想い描くことと行動力。それと少しの原動力があれば、なりたい自分になれる気がしました。
ありがとうございました。

投稿: 御厩峻雪 | 2009年9月16日 (水) 00時00分

放送見ました。茂木さんが質問すると、プロフェッショナルの人の雰囲気と場の空気が変わりますよね。ゾワッとそこに注目が集まる感じがします。すごく好きな感じです。


井上さんはすごく悩んでる、とにかく悩んでる、という印象を受けました。スラムダンクが爆発的にヒットして、一芸を極めたのかと思ってたのですが、そういう姿はどこにもありませんでした。毎週毎週悩み、追い込まれ、そして作品が完成していく。そこに妥協はないんだなぁと思いました。そんな中、息抜き、気休めはどのようにしてるのかも気になりました。


「スラムダンク」と「バガボンド」で光と影を描いた井上さんが、次にどんな作品を描くのかとても興味深いです。光も描いた、影も描いた。じゃあ次は何なのだろう。楽しみに待っていたいと思います。

投稿: アマチュア学生 | 2009年9月16日 (水) 02時58分

拝見してて途中から、かわいそう、かわいそう、と何回もつぶやいてしまいました。才能があるというのは本当残酷です。男の子でスラムダンクやバカボンドが大好きで、勇気もらって、沢山得る物がある読者達が大勢居る一方で、産みの苦しみに耐える創り手ひとり。でも、井上さんの様子が清潔なところに光明を感じます。
自らを依り代にして本質を週間で漫画にしてくというスタイルを続けるのであれば、健やかに心身を研ぎ澄ます、遍在するテーマが降りてくる事をお祈りします。

投稿: 鶴巻 | 2009年9月16日 (水) 09時58分

井上サン 爽やかな方でした。 自分の中に 掘り下げていく。
諦めない。
真摯に取り組む。
深く より広く考える。
実在する人、キャラクター、者や物を 大切にしていく 心 。

教えて頂きました。
ありがとうございます。

茂木サンもまた 同じく 作り出す事の 大変さを
やられているのですね。 頭が下がります。
感謝! です。

投稿: サラリン | 2009年9月17日 (木) 06時57分

「正直になる。
自分はこんな人間なんだと丁寧に伝えることで、周りに諦めてもらう。」

私も諦めようと思います。私的で余計な考えや、都合のいい思いを抑えて、最後に向かう物語をまっすぐ見ていきたいな、と思いました。

こんな風に、何でも、まずきちんと向きあうことから始めて、自分も正直になっていきたいと思います。

投稿: さん | 2009年9月22日 (火) 02時59分

今更ながらコメントさせていただきます。

僕が最も印象に残った場面は茂木さんが井上さんに言った

「努力しなければ良いものができないという訳ではない」の一言でした。

「これが仕事の流儀なのかな」と勝手ながら思いました。

僕はこの一言を逆説的に捉えました。
「良いものができないなら努力しろ」

茂木さんがおっしゃった本意とは違うと思いますが、今回の茂木さんがおっしゃった一言と、以前某番組で福山雅治さんがおっしゃっていた一言が繋がってこのように捉えたのだと思います。

以前福山さんは「売れることが全てではないと売れていない時代に言っていた。わかりもしないのに。そんな時は周りにもそんな仲間ばっかりが出来ていた。今は売れることが全てではないと思いますよ(笑)」と言っていました。

成功者になったからこそ言える一言があると思います。
(成功者と言うのは世間から見てですが・・・。)

成功者かどうかは本人が納得するかだと思っていますが、そうなれるまで努力を怠ってはいけないのかなと思いました。

投稿: ようすけ | 2010年1月14日 (木) 01時04分

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