根っこ
夏休みが終わって、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録が再開する。
再開第一回目のゲストに、
漫画家の井上雄彦さんが
ゲストでいらっしゃる。
『SLAM DUNK』や『バガボンド』など、
圧倒的なクオリティの高さと、
一億冊以上を売り上げる人気。
まさに現代の日本を代表する
漫画家、井上さん。
天才の創造性の秘密を
うかがうことを、楽しみにしていた。
自らの感性で、作品をつくって
いく井上さん。
『バガボンド』もまた、吉川英治
『宮本武蔵』を原作としつつも、
むしろ「現代」を描いているという。
確かに、『バガボンド』において、
宮本武蔵も、佐々木小次郎も、
今風の若者であるように感じられる。
そこには、ほんの少し未来の世界が
先取りされているようでもある。
自らの感性を掘り下げて創造する
ということと、人気を得るということは
どのように両立するか。
井上さんは、「自分の奥へと掘り下げて
いくと、そこに普遍的につながる根っこの
ようなものがあるんじゃないですか」
と言われた。
「中途半端に、かっこをつけたり、
自分を守っていたりすると、根っこには
至れない。ありのままに自分を
見つめて、その底にある根っこに
ぶつかれば、そこでは人間である以上誰でも
同じだから、自分の感性を追っていても、
みんなが感動する普遍に到達できるのでは
ないでしょうか」と井上さん。
井上雄彦さんは、自分の実績も
あって、感性を追求することが
できる立場を得た。
まだ発展途上の若者はどうすれば
よいか。
「自分に正直でいることではないでしょうか」
と井上さん。
「ごめんなさい、ぼくはこうなのです、
と丁寧に伝えていけば、周囲も、
あの人はそういう人なんだ、と諦めて
いくと思うのです。」
「諦める」という言葉使いに、
井上さんならではの現場感覚が感じられた。
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