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2009年6月19日 (金)

未来のふくらし粉

ホンダで燃料電池車の
開発にたずさわる藤本幸人
さんがゲストでいらした。

担当は、炎のディレクター、
座間味圭子さん。
「涙の収録」

燃料電池車は水しか排出しない
究極のエコカー。

一日も早く社会に普及したいと、
藤本さんは走り続ける。

脳は、好きなことをやっていると、
走り続けていても疲れない。
「いやあ、ずっと仕事をして
いたいですね。」と藤本さん。

自らが走るだけではなくて、
仲間たちと一緒に走るためには、
「夢」を共有することが大切だという。

「夢」のヴィジョンさえ共有できれば、
そこに至る方法論は自由でいい。多様でいい。

藤本さんの描く夢は、大きい。

燃料電池車は、水素を燃料として
電力をつくる。

空気中から酸素を取り入れて、水の
電気分解の逆反応で電力を生み出す
のである。

水素は、350気圧に圧縮された
かたちで使う。

水素を燃料とすると、
たとえば太陽光発電などの
自然エネルギーと組み合わせれば、
水と酸素、水素の間を往復するサイクルが
できる。

水も、酸素も、水素も、至るところに
ふんだんにあるので、地球上の
どの地域でもある程度のエネルギーを
生み出すことができるようになる。

また、水素という物質のかたちで
エネルギーを蓄えることができるので、
エネルギーの貯蔵、運搬という
視点からもメリットがある。

電気自動車も注目されるが、二次電池を
用いているので、充電に時間がかかるという
難点がある。

水素を燃料とする燃料電池車ならば、
水素ステーションでせいぜい数分
で満タンにすれば、数百キロ走ることが
できるのだ。

自動車の設計という視点から見れば、
燃料電池とモーターの間は電線で
結べばいいので、デザイン上の自由度が
格段に増大する。

藤本さんの運転で、住吉美紀さんとともに、
燃料電池車に試乗した。

音もなく加速が始まり、なめらかに
高速に達する。まるで、新幹線が気付かない
うちに発車しているようである。

ぼくは、燃料電池車がすっかり好きになった。

そして、来るべき水素循環社会に、大いなる
希望を抱くようになった。

収録の後の懇談の席。

藤本幸人さんとそのお仲間たちと
楽しくお話した。

藤本さんが、座間味さんを評して
「仮面の女」だという。

「藤本さんと一緒にいるあのきれいな人誰や、
とホンダで評判になりました。」

「そのうち、自分の本心はなかなか見せずに、
人のことをじっくりと観察する仮面の女だと
わかりました!」

「わははははは」
笑いの輪が広がる。

「ファブリーズ座間味」に続いて、座間味さんの
ニックネームがまた一つ誕生した。

藤本さんの大きな夢に接して、
未来のふくらし粉を手に入れたような気がした。

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2009年6月 9日 (火)

尊重する

長尾ディレクターが担当の、
医師の中村清吾さんの回。

打ち合わせの時から、
「中村さんの表情はやわらかく、
やさしい」と感じていた。

スタジオで中村清吾さんの
お話を聞きながら、その医師としての
卓越が、何に由来するのかを
悟り、心を動かされた。

中村さんは、医師だけでなく、
看護師や薬剤師、ソーシャル・ワーカー
など、さまざま専門性をもったスタッフ
の智恵を集めて患者の治療にあたる。

スタッフ同志の話し合いの席で、
相手の人間性を尊重する。
けっしておごらず、謙虚に耳を
傾け、それぞれの専門性の最良の
部分を持ち寄ろうとする。

患者さんにいかに接するか。

その際に、直接は関係ないようでいて、
実はスタッフの間でどのような
向き合いが行われているかということが
知らずしらずのうちに影響を
与えるのではないか。

スタッフの間で、お互いの人間性や
専門性を尊重する、そのような温かい
関係が築き上げられているからこそ、
患者さんの人間性や思いも
自然に尊重できるようになる。

一事は万事に通じる。
仕事でつながる人間どうしが、
お互いに相手を大切に思うことが、
結局は仕事のクオリティを高める
のではないかと考える。

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