失敗ばかりのスポーツだから
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
ヤクルト・スワローズの宮本慎也さんが
ゲストでいらっしゃる。
ヤクルト、オリンピックや
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
の日本代表チームにおいて、
選手として攻守に卓越した技を見せる
だけでなく、
チームを率いる「キャプテン」と
して活躍されてきた宮本さん。
監督や、監督兼選手といった立場ではなく、
同じフィールドに立つプレイヤーとしての
立場でこそ言えることがあると宮本
さんは言う。
同僚のプレイヤーに何かアドヴァイスを
するということは、それだけ自分のプレイに
ついてもきちんとした形で示さなければならない
というプレッシャーを感じるということを
意味する。
そのことが、一選手としての
成長にもつながってきたと宮本さん。
各チームの不動のレギュラー選手が
集う日本代表チームは、純粋な
意味でのチームプレイが
発揮しやすいのだという。
ただ、チームのため、野球の喜びのために戦う。
目の前の、この一戦に勝つために努力する。
野球の原点に還る喜びが、国際試合の
現場にはあるという。
フィールドに立つ時、宮本さんは
ある一点に集中するのではなく、
ぼんやりと全体を眺めるという。
そうすることで、ある一つのことに
注意を向けるのではなく、
すべてのことにまんべんなく関心を向ける。
なにかが起これば、対応できるように
する。
宮本武蔵の『五輪書』に描かれている
ような境地を、宮本さんはスタジアムで
追い求めている。
野球の最大の喜びは何か、という問いに
対して、宮本さんは、
「野球はなかなか成功しない、失敗ばかりの
スポーツだから、うまく行った時に
とても大きな喜びを感じる」と
答えられた。
どんな素晴らしい打者でも
打率4割には達しない。
6割以上は、「失敗」だという
ことになる。
ホームラン打者でも、ホームランを
打つよりも、失敗の方が多い。
それだけ難しいプレイをしている
中で、思ったように決まった時、
言葉では表せないような喜びを
感じるのであろう。
野球というスポーツの奥深さを
かいま見たような思いがした。
宮本慎也さんが登場される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の放送は、
2008年7月8日(火)放送予定です。
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コメント
自分の仕事に対しての姿勢、スタッフに対しての 接し方を ダブらせながら 見てました。
見ながら 気になった言葉をメモしてます。
今年で 34になりますが この年で 尊敬できる先輩に 怒られながら教えてもらえる そんな 環境が すごく 羨ましく思いました
自分には そういう 先輩に 出会えなかったぶん 後輩には… という気持ちが 強い方だと思います
宮本さんの 話しで 心に残ったのは
[口と背中で引っ張る]
これは 後輩に成長させてもらうという 言葉にも とれました。
向上心がないと サバイブ出来ない世界 しびれました
投稿: オガワ | 2008年7月 9日 (水) 01時06分
残念ながらスポーツに興味が無い私(やるのは嫌じゃ無いです)なので今一つピンと来ないのですが、一つに秀でる方は共通点が多いですね。
投稿: タナトス | 2008年9月12日 (金) 23時32分
私は宮本選手を尊敬しています。
チームをまとめ、プロ野球界をまとめ、日本代表をまとめ。本当にすばらしい選手なんだと思います。
宮本キャプテン率いる強い日本代表。誰もが金メダルを予想しただろう。
しかし、北京では4位に終わった。
その時、彼(宮本選手)は涙を流した。
彼の涙を見て私の目から自然と涙がこぼれた。
私は、あの時彼の流した涙を忘れないでしょう。
投稿: ハニカミ(17歳) | 2008年9月15日 (月) 02時21分