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2008年3月21日 (金)

独学者

ウェブデザイナーの中村勇吾さんが
ゲストでいらっしゃる。

中村さんは、灘中学校、灘高校から
東京大学工学部を卒業後、
設計会社に勤めていらした。

しかし、自分が夢見ていたような
設計の仕事がなかなかできないまま、
日常に意味を見いだせなくなっていった。

そんな中、「独学」で始めた
ウェブデザインが、その独自性と
魅力で高く評価されるようになる。

「会社を辞める時には、まるで逃げる
ようでした」と中村さん。

いわば「趣味」で始めた
ウェブデザインの仕事が、中村さんを
大きく輝かせることになった。

中村さんの人生の物語は、「独学」
ということの大切さを私たちに
教えてくれる。

「昆虫記」のアンリ・ファーブル、
電磁気学のマイケル・ファラデー、
発明家のトマス・エディソン。

かつて、数々の「独学者」
(autodidact)がすぐれた業績を
残してきた。

入試の難しい学校を卒業した後、
いわばそれと無関係に独学で
ライフワークを見つけた中村さんの
生き方は、昨今の日本の風潮を
考えるにきわめて示唆に富み、
また批評的である。

自分の教育を、他人任せにしては
いけない。学校任せにしてはいけない。

自分で自分を教える。
これが、教育の基本である。

中村さんのウェブはその独創性で
多くの人を驚かせるが、
その「驚き」は二つなければならない
という。

まず一回目の驚きで、「おっ、これは何だ?」
と注意を向けさせる。

関心が高まり、能動的に自らいろいろと
探索する中で、「ああ、そうか」
「こういうメカニズムになっているのか」
と理解する。

ここで、「第二の驚き」が生まれる。

第一の驚きは、いわばプレリュード。
第一の驚きがなければ、第二の驚きもない。
そして、第二の「能動的驚き」こそが、
訪れる者の心を動かし、
「こんなに面白いサイトがあったよ」
という口コミにも通じる。

中村さんのやられている
作業は、いわば、「応用認知科学」
でもある。

本当に面白かった。

柴田周平デスクと、
生田聖子(生田ガンコ)ディレクータが
どのように編集をするか、とても
楽しみである。

中村勇吾さんの登場される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は、2008年4月1日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

収録後、いつものように日経BPの
渡辺和博さんと、ゲストのお話について
振り返る。

渡辺さんは将棋、武術に造詣が深く、
また日経BP社のウェブ全体の
プロデューサーをされている。

「いやあ、今日は本当にいろいろ
面白かったですね」
と渡辺さん。

ウェブ構築のお仕事をされている
渡辺さんにとって、中村さんのお話は
強く響いたようだ。

渡辺さんがまとめてくださっている
『NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」から』
は、番組の貴重な記録となっている。

渡辺さん、本当にありがとうございます!


渡辺和博さん

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コメント

独学者ですか。独学の素晴らしさを体感するために、自分自身でもせっせと独学しています。十年ほど前から建築家の安藤忠雄先生を知り、安藤先生が独学で建築家になったことに影響を受け続けていました。茂木先生も学校の課程もありながら、殆んど独学に近い形で知を手に入れたのではないですか?自分ももっと独学に励み、独学者になれればいいと思っています。仕事に結びつかずとも気にしていません。

投稿: 山本 | 2008年3月21日 (金) 21時03分

好きでたまらないって事は大きな業績を生み出しますよね。
すばらしいです。僕も中村さんを励みにしてがんばります。

投稿: 山するめ | 2008年4月 2日 (水) 06時42分

はじめまして。
深夜に再放送を見て釘付けになりました。

僕は小学校教師を目指しながらも、独学で作曲・歌・アレンジなどを探求して来ました。その中で、教師になることだけが子ども達に関わる仕事ではない、むしろ、これだけ夢中な音楽創作の面から出来ることがあるんではないかと思い今はアーティストとして音楽の世界にいます。

自分で何かを作り出す時に試行錯誤している自分、それを乗り越えて「これだ!」というものと出会えた時の自分が一番好きで、最高に可能性を感じます。

楽しいです!

投稿: CHI-MEY | 2008年4月 8日 (火) 08時52分

茂木さん、おはようございます。
深夜の再放送で見ました。
思ったこと(アイデア)を実現させる力。あきらめずいいものを生み出す力(それもプロセスを楽しみながら…!)ユーザーに対しての気配り、想像力。
それが人を惹きつけ、夢中にさせる。
Webも人のにおいがするんですね。この回は、これからあたしの中でじわじわと効いてくる予感がする。

投稿: 柴田愛 | 2008年4月 9日 (水) 04時50分

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