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2008年3月28日 (金)

たとえ思いがあっても

フロアディレクター(FD)の
山口佐知子さんとタッグを組んで、
スタジオの収録回りのさまざまを
してきて下さった小寺亜希子さん
(コデリン)が、3月末で
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録の現場をいったんは離れることに
なった。

まだNHK内で会えるし、また戻って
くるかもしれないので、サヨウナラ、
というわけではないが、
番組開始以来、ずっとコデリンが
いたので、とてもさみしい。


ゲストの宮本和敏さんと、小寺亜紀子さん

スタジオで忙しく働く
コデリンを見ながら、いろいろな
ことを思い出していた。

コデリン、本当にありがとう!
心からの感謝を込めて。

ゲストの宮本和敏さんは、東京消防庁の
「ハイパーレスキュー」の隊長。

最新鋭の機器を用いて、通常の
消防隊では対処できないような難しい
現場で人の命を救う。

宮本さんの鍛え上げた身体は、
すばらしい。

腕相撲をしたが、今までに経験した
ことのないような衝撃を受けた。
腕が、まるで鋼鉄の壁のようなのだ。

なすすべもなく負ける。
恐れ入りました。

住吉美紀さん(すみきち)も挑戦。
「うわあー」とすみきちは
叫んでいた。


宮本和敏さんと腕相撲をする住吉美紀さん

宮本さんが身体を鍛練するのは、
「救いたい」という一念から。

たとえ思いがあっても、体力や技量が
ともなわければ果たせない。

そのことを、宮本さんは思い知ってきた。

宮本さんの仕事は、その性質上、
一度始めたらやめられない。
鎮火し、救い、現場が落ち着くまで、
何時間も思い防火服を着て動き回る。

何よりも持久力が必要な仕事。

そして、その結果は「天国」と「地獄」
である。
救えるか、あるいは果たせないか。

被災者の方の生死がかかる。宮本さん
自身も、命を懸ける。

体力を鍛えるのも、技量を上げるのも、
すべては、人の命を救うため。

天国と地獄の間で
闘い続けるその姿勢に感銘を受けた。

いつもの102スタジオとは異なる
104スタジオで、
副調整室がスタジオの入り口横にある。

山本隆之デスク(タカさん)の雄姿を
見るためにフクチョウを訪れた。


副調整室での山本隆之さんの雄姿

収録が終わり、コデリンと記念撮影。
また会う日まで!

外では、桜がもう満開です。


小寺亜紀子さんと。


有吉伸人チーフプロデューサーと小寺亜紀子さん

宮本和敏さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』は
2008年4月8日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年3月21日 (金)

独学者

ウェブデザイナーの中村勇吾さんが
ゲストでいらっしゃる。

中村さんは、灘中学校、灘高校から
東京大学工学部を卒業後、
設計会社に勤めていらした。

しかし、自分が夢見ていたような
設計の仕事がなかなかできないまま、
日常に意味を見いだせなくなっていった。

そんな中、「独学」で始めた
ウェブデザインが、その独自性と
魅力で高く評価されるようになる。

「会社を辞める時には、まるで逃げる
ようでした」と中村さん。

いわば「趣味」で始めた
ウェブデザインの仕事が、中村さんを
大きく輝かせることになった。

中村さんの人生の物語は、「独学」
ということの大切さを私たちに
教えてくれる。

「昆虫記」のアンリ・ファーブル、
電磁気学のマイケル・ファラデー、
発明家のトマス・エディソン。

かつて、数々の「独学者」
(autodidact)がすぐれた業績を
残してきた。

入試の難しい学校を卒業した後、
いわばそれと無関係に独学で
ライフワークを見つけた中村さんの
生き方は、昨今の日本の風潮を
考えるにきわめて示唆に富み、
また批評的である。

自分の教育を、他人任せにしては
いけない。学校任せにしてはいけない。

自分で自分を教える。
これが、教育の基本である。

中村さんのウェブはその独創性で
多くの人を驚かせるが、
その「驚き」は二つなければならない
という。

まず一回目の驚きで、「おっ、これは何だ?」
と注意を向けさせる。

関心が高まり、能動的に自らいろいろと
探索する中で、「ああ、そうか」
「こういうメカニズムになっているのか」
と理解する。

ここで、「第二の驚き」が生まれる。

第一の驚きは、いわばプレリュード。
第一の驚きがなければ、第二の驚きもない。
そして、第二の「能動的驚き」こそが、
訪れる者の心を動かし、
「こんなに面白いサイトがあったよ」
という口コミにも通じる。

中村さんのやられている
作業は、いわば、「応用認知科学」
でもある。

本当に面白かった。

柴田周平デスクと、
生田聖子(生田ガンコ)ディレクータが
どのように編集をするか、とても
楽しみである。

中村勇吾さんの登場される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は、2008年4月1日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

収録後、いつものように日経BPの
渡辺和博さんと、ゲストのお話について
振り返る。

渡辺さんは将棋、武術に造詣が深く、
また日経BP社のウェブ全体の
プロデューサーをされている。

「いやあ、今日は本当にいろいろ
面白かったですね」
と渡辺さん。

ウェブ構築のお仕事をされている
渡辺さんにとって、中村さんのお話は
強く響いたようだ。

渡辺さんがまとめてくださっている
『NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」から』
は、番組の貴重な記録となっている。

渡辺さん、本当にありがとうございます!


渡辺和博さん

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2008年3月19日 (水)

ガンコという名の生き方がある

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせは、VTRを見ながら
ゲストへの質問事項などを確認する。

 打ち合わせ室に入ると、
私と住吉美紀さんのポスターの上に
「ガンコという名の生き方がある」
という文字が貼ってある。

「なんですかあれ、」
「いやあ、生田くんがガンコなものでね」
とデスクの柴田周平さん(しばきち)


「生田ガンコ」こと、生田聖子さん

ガンコな生田ディレクターが取材、編集した
VTRを見ながら、打ち合わせが進む。

番組の挿入曲を作って下さっている
村井秀清さんがいらした。

住吉美紀さん、有吉伸人さんと
一緒に村井さんと写真を撮る。


村井秀清さんと。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』など、
村井秀清さんが作曲したNHKの挿入曲を集めた
CD「Merged Images」が4月15日に発売される。

http://crescente.ocnk.net/product/26/


村井さんの曲はどれも素晴らしいが、
音響効果の三澤恵美子さんは、
なんと、村井さんが送ってきた曲に
何回も「ダメ出し」をしたのだと
言う。

「三澤さんが電話をしてくるんですよ。
本当にすばらしい、とても
とてもいい、なんとも素敵なのですが、
もう少しここのところが
こんな感じになりませんか・・・・」
と村井さん。

細かい音のニュアンスを追求する
三澤さんの「ガンコさ」は素晴らしい。

その三澤さんは、河瀬大作デスクと
にこにこしながら打ち合わせ室を
のぞき込んでいた。


河瀬大作さん、三澤恵美子さん。

ガンコという名の生き方がある。

生田ガンコ。
三澤ガンコ。

ガンコなひとたちが、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
という番組を支えている。


「生田ガンコ」の命名者、柴田周平デスク。
本人もガンコである。
左は山口佐知子さん。

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2008年3月 6日 (木)

逆風の中の論理的信念

心臓カテーテルによる治療法を
日本に導入、普及した
延吉正清さんがゲストにいらっしゃる。

延吉さんは小倉に生まれ、
京都大学医学部で学んだあと、
現在、小倉記念病院の病院長を
されている。

「神の手」と呼ばれるその業は、
見る者を驚嘆させる。
足の血管からカテーテルやワイヤーを
挿入し、心臓の冠動脈に至る。

そのスピードと正確さは、余人の追随を
許さない。

「早く治療が終わった方が、
患者の負担が少なく、また合併症が
起こる危険性も減る」と延吉さん。

延吉さんがアメリカに留学し、
当時最先端だった心臓カテーテル
による診断、治療法を日本に
導入した時、周囲から猛反対を受けた。

大変な逆風だったという。

「しかし、逆風がある方が、いいんですよ」
と延吉さん。

「逆風があった方が、それに向かって
しっかりと立つことができれば、
自分自身が強くなることができるんです。」

魂の成長のためには、
人生に逆風は必要である。
むしろ、逆風の吹いているところを
探すくらいの気持ちでいても
良いのだろう。

延吉さんは御自身が卓越した技術を
持つだけでなく、後進の指導にも熱心である。
多くの医師たちが、延吉さんを慕って
研修のために小倉記念病院を訪れ、
心臓カテーテルの技術を身につけて
全国に帰っていく。

「北海道で心臓の病気になったおばあちゃんに
とっては、
その地域にお医者さんがいないと
意味がないですから」と
延吉さん。

医療においては、単にある人が
すぐれた技量を持つというだけでは
足らず、その術が全国にあまねく
広まって、初めて多くの人が
助かる。

心臓カテーテル治療を導入した
時、大変な逆風の中、
「これしかない」「これは必ず定着する」
という確信があったという
延吉さん。

そのことを裏付けるために、
関連分野を猛勉強した。

まるで「慈母観音」のような延吉さんの
表情。

そのパッションの背後には、
緻密な学問的考察と、
逆風の中の
論理的信念があった。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は2008年3月11日(火)に放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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