自らの人生を処する
カンテサンスの岸田周三さんに
初めてお目にかかったのは、
『食彩浪漫』の収録でカンテサンスに
うかがった時だった。
http://www.nhk.or.jp/shokusai/week/20070909/index.html
その時、岸田さんが出してくださった
デザートの一品に衝撃を受けた。
しばらくして、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のチーフ・プロデューサーの有吉伸人さんが、
「カンテサンスの岸田さん、三つ星になるかも
しれませんよ」
と教えて下さった。
あの時の衝撃を思い出して、岸田さんだったら
ふさわしいと思った。
岸田周三さんがスタジオにいらした。
担当は池田由紀ディレクター。
岸田さんは、何のあてもなく
パリに旅立ち、
最初の一ヶ月で住むところを確保して、
それから様々なレストランで修業を
したのだという。
節約するため、フランス人が
普通食べるバゲットよりも安い
食パンでつないだ。
そんな中、アストランスのバルボ
さんと出会う。
バルボさんは全く違っていた。
自分が率先して働き、
店の人が早く帰れるように
自ら居残りするほどだったという。
「料理には、調理場の人間関係が
反映される」と岸田さん。
岸田さんの超絶技巧の一つ、
まるで別の何ものかに昇華しようと
しているように均一にピンク色と
なった肉を仕上げるために、
1分焼き、5分休ませるという
サイクルを2時間以上繰り返すという
手間のかかる作業は、
カンテサンスのスタッフが
交代で担当する。
そのようなチーム・ビルディングが
大切なのだと岸田さんは言う。
岸田さんが料理にのめり込み、
試行錯誤を繰り返す姿は
求道者のそれだが、
何よりもすぐれた資質の
一つは、自分の置かれた状況を
客観的に見て、必要なことが
何か見抜くことではないか。
バルボさんとそのままフランスに
残るか、それとも日本に帰るか
という選択をする時に、
岸田さんは自分が求めているものを
見据えて、そこから揺るがなかった。
才能に恵まれ、自らの人生を処することを
知っている人が、輝かないはずがない。
新しい料理の可能性を求めて、
岸田さんはこれかも走っていくという。
味覚のアスリートの未来を私も
大いなる関心をもって見つめたい。
カンテサンスの岸田周三さんが
ゲストでいらっしゃる『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、
2008年2月5日放送予定。
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コメント
2月5日放送の岸田さんの回、大変感動いたしました。
この感動は、なんだろう。
とツラツラ考えながらHPにきてみましたら、
茂木さんが明快に教えてくださった。
求道者
孤独で、自分と向き合うその作業は、私たちの心を打ち、胸が熱くなりました。
これだからプロフェッショナル、やめらんないんだよな~。ニクいニクい!
投稿: めんちゃん | 2008年2月 5日 (火) 22時47分
チャレンジングな芸術家とお見受けした岸田さん。
仕事に取り組む姿勢こそが非凡なる人。
休日も厨房や畑へ足を運び、常に新たな作品作りに熱意を注ぐ姿に感動しました。
ジャンルは関係ありません。道を追い求める人はみな輝いています。
「まかない」で食事をなさる様子に先日の小野二郎さんを思い出しました。
痩躯なお二人に現場の厳しさを見る思い。
投稿: やまぼうし | 2008年2月 6日 (水) 09時28分
火入れ作業に、ものすごく感動しました。
投稿: diary_ore | 2008年2月20日 (水) 10時58分