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2007年3月31日 (土)

逃げてもいいんだ

 今週は、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の新年度の放送の開始である。

 月曜、火曜と、山手線内の中吊りに
番組告知の宣伝が出た。

 私も、代々木から研究所に向かう車中で
発見。
 関係者と悟られぬよう、すばやく
撮影した。


山手線内の『プロフェッショナル』ポスター

 打ち合わせ室には、私と住吉美紀さんが
並んだポスターと、宮崎駿スペシャルの
ポスターが登場。

 その前で、山本隆之デスク(タカさん)
と生田聖子ディレクターがにこやかに
笑っていた。


二種類のポスターを前に笑う山本隆之さんと
生田聖子さん

 火曜夜10時〜に変更された
放送時間。

 第一回の放送は、NHKの社会情報番組
室の中で、
 有吉伸人さんをはじめとするスタッフで
生視聴。

 荒川ディレクターの渾身の映像に拍手。

 木曜日の収録。イギリスのロイヤル・バレエで
活躍されてきた吉田都さんがゲストでいらっしゃる。

 吉田さんは、ローザンヌのバレエコンクール
で入賞し、ロイヤル・バレエ・スクールに
入学した。1995年から、ロイヤル・バレエの
プリンシパルをつとめる。

 私は、吉田さんの舞台を見たことがある。
1995年か1996年のロンドンで、
演目は確かsleeping beautyだった。

 事前知識なしに劇場に向かったので、
舞台の中央に日本人が歩み出てきて驚いた。
 しかし、その優美な踊りの表現に、
たちまち魅せられたのを覚えている。

 吉田さんが日本人としてロイヤル・バレエ団
で活躍する上では、様々な言うにいわれぬ
苦労があった。

 そんな時、吉田さんは「練習に逃げ込む」
ことで切り抜けてきたという。

 苦境や障壁に直面した時、人間はついつい
逃げだしたくなるものであるが、
 現場から離れたり、関係のないところに逃げる
のではなく、
 まさにその現場の中心、吉田さんで言えば
バレエの練習の中に逃げ込む。

 とてつもない迫力に満ちた
叡智であると感じた。

 思うに任せぬ現実との格闘や、
自分の個性と社会との軋轢の中で、
 ゴッホは絵を描くことに逃げ込み、
 モーツァルトは作曲の中に、
夏目漱石は小説を書くことに逃げ込んだ。

 逃げ込む暗い洞穴を間違いのないかたちで
見極めることで、人は大成できる。

 逃げてもいいんだ。
 ただし、自分のライフワークの中に逃げよ。

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2007年3月25日 (日)

土曜日の収録

 いつもの木曜ではなく、例外的に
 土曜日に『プロフェッショナル』の
収録。

 カメラリハーサルの時に、上からの
照明がまるで桜の花びらの向こうからやって
くる陽光のように感じられる。

 どうしてだろう、と考えていると、
住吉美紀さんが「スタジオが変わったからで
しょう」
と言う。

 なるほど、いつもの102ではなく、
104になっている。
 普段は大河ドラマの収録に使っている
スタジオのはずだ。

 有吉伸人さん、小山好晴さんとともに
5食でごはんを食べた。
 メニューにカレーライスがあると、
ついついそれを頼んでしまう。

 有吉伸人さんは、俳優の辰巳琢郎さん
の京都大学での後輩。
 伝説の劇団「卒塔婆小町」で、
辰巳さんと苦楽をともにしたという。

 「いやあ、茂木さん、劇団出身の
人というのは、濃いんですよ!」

 スタジオに戻り、住吉美紀さんに
「actingには興味がありますか」と聞くと、
「ある」と言う。
 
 ボクは、先日イギリスの人気コメディ
Little BritainをやっているMatt Lucasと
David Walliamsが来日していろいろ話した
ことがきっかけとなって、
 「これが本当に本人か?」というくらいに
キャラクターが変貌するactingという
ものに興味を持ってしまっている。

 日本の俳優には、出てきた瞬間に
「その人だ」とわかってしまうような
演技をする人が比較的多いように思うが、
変貌してしまう人たちの脳と身体には
一体何が起きているのか、とても
興味がある。

 ゲストは中学校で先生をしている
鹿島真弓さん。

 鹿島さんは、「エンカウンター」
という手法を授業に取り入れることで、
子どもたちがお互いを知り、支え合う
ことをうながしてきた。

 15歳の春の人生初めての本格的な
試練、受験。
 試験を前にいらだったり、落ち着かなく
なったりする子どもたちが、
それでも、お互いに励ましながら
苦難を乗り越えていく。

 そのような人間関係を作るきっかけに
なるのが、鹿島さんが実践している
「エンカウンター」。
 お互いの
違いや共通点を知ることを通して
深く継続的な人間関係を構築する。

 鹿島さんのアプローチは、
個人的な学力の増進と相互扶助の
精神の涵養という、普段は別の問題だと
思われている二つのテーゼを
一つのベクトルの下にまとめる可能性を
示している。

 VTRを見ていると、自分自身が中学生
だった頃のことを思い出して、
 なんだか胸の奥がざわざわした。

 収録前に、スタジオで仕事を
していたら、
 収録で用いられるVTRが流れて
いる

 お昼休みに有吉さんに「何故
流れているのですか?」
と聞くと、
 「ああ、あれは、スタジオのカメラ
マンが、今日の収録はどんな内容なのだろうと
事前に知っておくことで、カメラアングルとか
も少しは変わってくるだろうということで
流しているんですよ。それに、自分たちの
仲間が撮影した映像ですから。どんな風に
撮っているんだろうと確認しておきたく
なるんですよ」
との答え。

 そうだった、
 ボクは小学校の時に放送委員会で、
カメラマンをやっていたのだった。

 あの頃のカメラは白黒で、それでも
級友の顔にズームインするとまるで肌色の
ように見えた。

 何となくスタジオの中に桜の色と
気配がしているように感じられたのは、
やはり季節というものだったのだろう。

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2007年3月16日 (金)

負ける人生

プロフェッショナルの収録は、
新年度分に突入している。

 新しくなったことがいくつかあって、
一つは「椅子」

 今までの椅子は、大きく動くと
ぎしぎしすることがあったのだけれども、
いくら動いても音がしない
椅子に新調された。

 三つの候補の中から選択したのは
住吉美紀さん。

 すみきちセレクトの椅子に座って、
これからもがんばる。

 新年度、スタジオで一人目の
ゲストは、建築家の隈研吾さん。

 シンポジウムなどで何回かお目にかかった
ことはあるが、
 3時間以上にわたって真剣な対論を
することで、今まで以上深く隈さんの
建築に関する哲学を知ることができた。

 隈さんの建築を表す有名なキーワードは
「負ける建築」。

 今までの現代建築が、ともすれば
環境と無関係に自分を強く主張することに
フォーカスしていたとすれば、 
 隈さんの建築は、その土地の環境の中に
ある「制約」から出発する。

 近現代建築を支えてきたコンクリート
という素材は、建築家が頭の中に描いた
イメージをそのまま自由に表現することが
できる。
 言い換えれば、そこには制約は少ない。

 一方、木などの素材は、なかなか言う
ことを聞いてくれない。
 強度や組み立ての際の技法などにおいて、
 さまざまなめんどうな制限がある。

 自分の頭の中にある観念論、イメージから
出発すれば、土地や素材の制約は
 自らの芸術的衝動の表出を妨げる
「敵」だということになってしまう。

 しかし、隈さんは、その「敵」に「負ける」
素材や土地に内在する「制約」に従い、
むしろそれに沿った表現を見いだそうとする。
 
 肝心なのは、「制約」は「発見されるもの」
だといことである。
 制約は、全てが最初から白日の下に
明らかになっているわけではない。
 むしろ、多くの制約は隠され、水面下で
この世界のリアリティを支えている。

 「制約」を発見するということは、決して
後ろ向きの行為ではなく、
 さまざまな工夫とひらめきと「納得の行く」
一つの世界観への衝動に支えられた、
 創造的行為なのである。

 「制約」を発見するということは、
科学の本質にも通じる。
 ファンタジーの中では、この世界の
中ではどんなことも可能だと思ってしまい
がちだが、
 実際には宇宙の中で起こることは
限られている。
 
 なぜ、限られたことしか起こらないのか。
 その背後には、巧みに隠された数々の
制約があるのである。

 科学とは、「何でもあり」のファンタジーの
世界から、この地上へと降りていくプロセス
において露わになる
様々な制約を発見する営みである。

 月なんてかってにぐるぐる回って
いればいいだろう、
 りんごなんて勝手に落ちればいんだろう
という野放図な世界観が、「制約」
に着地したのがニュートン力学でる。

 科学という方法論、隈さんの
「負ける建築」という哲学は、
 ひとりの人生で言えば、
夢見る青春時代から
具体的な職業人への着地における大切な
ことと深く結びついている。

 近現代建築は、ともすればある土地を
「さら地」にして、その上にどんな線でも
書けるという前提の下につくられてきた。
 
 しかし、本当はどんな土地にも歴史や
風土に由来するさまざまな制約がある。
 
 人生も同じこと。青年期は、自分という
土地にどんな建築でもできると思いがちだが、
実際にはそんなことはできやしない。

 具体的な職業に着地することは、
魂をひんやりとさせる作用があるが、
それはつまり、自分の身体や脳髄、環境に
根ざす「制約」に「負ける」ことを意味する。
 
 いつまでも「さら地」でいる
ことはできない。いつかは「制約」に「負け」
なければならない。
 そのようにして初めて得られる人生の
豊饒がある。

 「負ける人生」こそが豊かなのである。

 景観問題においても「負ける」ことが
大切。

 最初からトップダウンで
ああしろこうしろと基準を決めるのではなく、
ただ、それぞれの建築主が周囲の環境に
「負けよう」とすれば、自然に調和が図られるの
ではないか。

 江戸時代の日本の景観が調和していたのは、
つまり、人々が「負けて」いたからであろう。

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2007年3月 9日 (金)

子どもであることの価値

NHKで待ち合わせて、
住吉美紀さん、有吉伸人さんと
車に乗った。

 陽光がほんとうにさわやかで、
車窓からの景色が心地よい。

 私は急いで終わらせなければ
ならない仕事があったので、
前部座席に乗り、時々後ろの二人と
言葉を交わしながら仕事を進めていた。

 「直近は、メールを読んで返事する
こともできないような状態なんですよ」
 「ぼくもそうです」
 「メールが読めなくなってしまっては、
いよいよ忙しさの末期症状ですねえ」

 有吉さんと同病相哀れむような会話。

 書き終えて、メールを送信した瞬間、
本当にウソのような話だが、
 ちょうど車が目的地に着いて、
さっとモードが変わって
すっと背中が伸びるような緊張感が走った。

 スタジオ・ジブリ。初めて
目にするアニメーションの聖地は
とても気持のよい空気に包まれていた。

 まだ撮影開始まで時間があったので、
付近を散歩していると、有吉さんと
荒川ディレクターが慌てたように
「茂木さ〜ん」と叫びながら追いかけてきた。

 「まだそちらには行かないでください!」

 どうやら、私はアトリエの方に向かって歩いて
いたらしい。

 スタジオ・ジブリの方に戻り、
 鈴木敏夫さんと、コーヒーを飲みながら
お話する。

 階段に、Pixerのメンバーから宮崎駿
さんに宛てた寄せ書きがあった。
 
 You are THE inspiration.

などとリスペクトを表す言葉が綴られている。

 猫が一匹、階段を上っていった。
 
 「あの猫はね、三階にお気に入りの女の子が
いるんですよ」

と鈴木さん。

 時間となって、住吉美紀さんと一緒に
アトリエの方に歩いていった。

 大きな木に囲まれた素敵な家が現れ、
その前にシトロエンが停まっているのが
目に入ってきた。

 ドアを開けたらそこにいらっしゃる
と伺っていたのだが、
 宮崎駿さんが、玄関前に立っていらした。

 「宮崎さ〜ん!」と手を振ると、
にこにこ笑いながら手を振りかえして
くださった。

 アトリエの吹き抜けの間に座る。
 窓から巨木が見え、頭上には橋の
アーチがかかり、
 グランドピアノがなにかが起こる
楽しげな予感をかき立てる。

 一時間くらいのインタビューの
予定だったが、時間を大幅に超過して
三時間近くになった。

 二階の仕事部屋を案内してくださった。
 
 「この家が建った時、子どもたちが
あのアーチを渡ってはしゃいで笑いましてね」
と宮崎さん。

 「あの笑い声が、この家の完成を
祝福してくれたようだったなあ。」

 ボクは、宮崎さんとお話して、とても
大切なインスピレーションを受け止めた
気がする。

 それは、「子どもであることの価値」。

 ちょっと変わっていて、偏屈で、
でも瞬間のキラキラに満ちていて、
 とてもすごいスピードで変わり続けて
いて、
 大人たちや社会の思惑などには
簡単には従わない。
 だけど、春になって芽を出す草のような
内なるバネの力がある。

 来る前よりも、自分の中の「子ども」
の勢いが増したうれしい状態で、
アトリエを後にした。

 住吉さんや、有吉さん、それに
みんなとロイヤルホストに入り、
 「いやあ、良かったですね」と振り返った。

 当日の模様は、2007年3月27日
放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』で。

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2007年3月 7日 (水)

人生の軌跡を残すのであれば

今週の収録のゲストは、ある卓越した芸術家の方。

荒川ディレクターが単身で取材先にうかがい、
小型のデジタルビデオカメラで撮影した
映像は迫力がある。

打ち合わせでその映像を見ていて、
「時間の圧縮」ということを思った。

荒川さんは、三ヶ月半その方に密着した
という。

その間の様々な波乱、瞠目、発見、苦労、
工夫、呼吸、鼓動、出会い、別れが、
30分のVTRに圧縮されている。

三ヶ月半が30分になるのは切ないようだが、
しかし、逆に言えば、たとえ30分でも、
様々な智恵を駆使してまとめ上げたその
映像は、貴重な生の痕跡となる。

取材の対象となった芸術家の方にとっても、
荒川ディレクターにとっても。

人生の軌跡を残すのであれば、
思い切って圧縮した方が良い。

こぼれ落ちるものの切なさは、
光り輝く濃縮の力と表裏一体である。

プロフェッショナルの取材チームを
構成するディレクターの方々は、一つの
番組を仕上げると、短い休みのあとに
また次の取材を始める。

荒川さんがジブリの鈴木敏夫プロデューサー
を取材した時のスタッフノートを
プロフェッショナルのHPで読むことができる。

http://www.nhk.or.jp/professional/note/index.html 

言葉による人生の圧縮と、
映像によるそれと。

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2007年3月 5日 (月)

モナリザ・ライト

国連大学横の
青山ブックセンター本店にて、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
に出演いただいた横井昭裕さんを
ゲストにお招きして、
トークショウがあった。

横井さんは、「たまごっち」の開発者として
累計数千万個に及ぶ大ヒットを実現するなど、
希代のヒットメーカーとして知られる。

番組でも、そのあふれるような発想法は
瞠目だったが、トークショウでも、言葉の一つ
ひとつに力がこもった叡智があった。

横井さんがヒットを生み出す方法論の一つは、
「トゲ」を潜ませるということ。
「たまごっち」では、一時停止ボタンをもうけない
ことが一つの「トゲ」だった。

飼育をし続けていないと、ペットが弱って
死んでしまう。
学校に行く子どもが、お母さんに頼み、お母さんが
今度は祖父母に預ける。

そのように、たまごっちを通して人のつながりが
出来た。
それは予定していたことなのかと言えば、
そうではないのだと横井さん。

ペットが本当に好きで、面倒だからかわいいのだ
という心の機微もわかっていて、
そのような自分の「濃い」経験を、万人に
受け入れられるような形で薄めたことが
ヒットにつながったと横井さんは言う。

最初に強烈な「濃さ」がなければ、薄める
こともできない。
個性と流行の間の関係を、横井さんの言葉から
考える。

近くの飲み屋で打ち上げがあった。
店の横の階段の下に石ころがあり、
それが異なる二つの種類があるように
見える。
しかし、実際には、白い石を黒い石が
ある場所に移すと、ああら不思議、黒い
石に変じている。
手にとって暗がりに持ってくると、
もっと黒くなる。

認知科学的には古くから知られている、
周囲との関係性と光源との関連において
色が変じて見えるという効果であるが、
それにしても見事である。

有吉さん、これは面白いですと、
と見せると、
「光のマジックですね。照明というのは
すごい力がありましてね。モナリザ・ライト
というのがあるのですよ。」

 下から照らすことで
美人がより美人に見えるのだという。

 光ではない、抽象的な概念の照明
というものもあるだろう。
 結局、ものの価値というものは、どのように
照射するかということで決まるのではないか。

モナリザ・ライトは、きっと横井さんの
ヒットの極意にもつながる。

 暗闇から吹いてくる風が本当に心地よく、
どこまでも歩いていきたいような気分の
夜だった。


横井昭裕さん登場!


NHKのスタッフも集結!
左から河瀬大作さん、有吉伸人ご夫妻、山本隆之さん

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2007年3月 4日 (日)

カメラマン

先日、NHKのカメラマンの長田正道さん
とお話して、カメラを担がせて
いただいた時の写真が長田さんから
送られてきました。

本当に重かった!

長田さんありがとうございました!

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2007年3月 2日 (金)

文字通り「カメラ」のための

ボクは、『プロフェッショナル』の収録がない
先週に、風邪を引き、収録が始まる時までに
きちんと治した。
 これこそが、本当の意味の「プロフェッショナル」
と言えるのではないだろうか。

 誰もほめてくれないので、自分でほめる
ことにする。えっへん。 

 収録は、いつも、「カメラリハーサル」と
いうものから始まる。

 流れに沿って、ポイントを幾つか住吉さんと
ボクで喋ってみるのだけれども、
 何を隠そう、だいぶ後まで、何のために
このリハーサルをやっているのかよく
理解していなかった。

 「茂木健一郎です」
 「住吉美紀です。プロフェッショナル 仕事の
流儀・・・」
 と喋ってみる。ゲストとのトークを、
最初のVTR、二番目のVTR、最後・・・
と流れで押さえる。

 そのようなリハーサルは、本番前の
「練習」のようなものか、と曖昧に
考えていた。

 文字通り「カメラ」のためのリハーサル
だと理解したのは、恥ずかしいことだが、半年
くらい経ってからである。

 つまりは、本番通りにやってみて、
カメラのアングルや、フレーム、切り替えなどを
練習しておく。

 考えてみると、これらのことはまるで
精密機械のように行われているわけではあり、
たった一回のリハーサルで、やり直しのきかない
本番にその通りできるというのは、
 ちょっとすごいことではないか。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の現場は、多くのプロフェッショナルによって
支えられている。

 今回のゲストは、「モバゲー」で知られる
IT関連のベンチャー企業、DeNAの創業者
であり、社長をされている南場智子さん。

 ハーバードのMBAを取得したり、
マッキンゼーの日本法人の共同経営者に
なったりと華々しいビジネス・キャリアを
積み重ねて来られた南場さん。

 スタジオでのお話は、とても気さくで
楽しいものだった。

 『プロフェッショナル』の取材は、長期にわたりほとんど毎日のように行われるので、
 取材スタッフとゲストの方はかなり
お互いに知り合うようになる。

 「いやあ、最初は迷惑だと思ったけれども、
そのうち慣れて、
 いなくなったらさびしいわね」

 打ち上げの時、南場さんがディレクターの
石田さんと談笑している。

 あはははは

と笑う石田さんの表情がお店の薄暗がりの
中で光った。

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