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2007年1月31日 (水)

雰囲気もデスクっぽくなって

『プロフェッショナル 仕事の流儀』の
打ち合わせは、「社会情報番組」室の
中の小部屋で行われる。

 いつも、鈴木さんがおいしいコーヒーを
入れてくださるのだが、
 ボクは一杯目は自動販売機で
買うカフェラテと決めている。

 山口佐知子さんがそれを知っていて、
「これ飲みますか?」とくださったが、
「いや、ボクは、自分で買うのが楽しいので
山口さんどうぞ」
とご辞退した。

 100円玉を入れ、コップがセットされ、
コーヒーとミルクがしゅわしゅわと噴出する。
 その時間の流れが楽しい。

 『プロフェッショナル』の仕事を
するまであまりよくわかっていなかったのだが、
 NHKでは、「ディレクター」
ー>「デスク」ー>「プロデューサー」
とキャリアを積んでいく。

 今は「クローズアップ現代」に移ってしまった
小池耕自さん、それに私と三人で「極悪三兄弟」
を名乗っていた河瀬大作さんが、
 最近「デスク」になった。

 デスクになると、番組を企画したり、撮影
現場で演出したりといったことに直接かかわる
というよりは、複数のディレクターの制作を
同時に見守り、指導する立場になる。

 まだまだ現場で前線に立ちたかった河瀬さんは、
「いやいやぼくは」と言っていたが、
ついにデスクになって、
 なんとなく雰囲気もデスクっぽくなって
きた。

 河瀬「デスク」が「デスク」に座って、
打ち合わせ開始。

 今回のディレクターは、大坪悦郎さん。

 有吉伸人さんが、
大坪さんに、しきりに「おい、エース」
と言う。

 「大坪はね、ディレクター、と言われても
返事しないんですよ。エースと呼ばないと
振り返らないんですよ」

 大坪さんは、「奇跡のような映像を
なぜか撮ってきてしまう」と言われている。

 今回の映像も、心に染み入るものであった。

 乞うご期待!

 そして、今週の木曜日は、
住吉美紀さんがディレクターも勤めた、
「仕事術スペシャル」が放送されます。
 みなさん、是非見てください!


河瀬大作デスク


大坪悦郎ディレクター


今回の台本

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2007年1月27日 (土)

アイ・ワーク

 『プロフェッショナル』の仕事を通して
学んだことは沢山ある。

 そのうちのある部分は、自分自身の身体を
どのように動かすかということに
かかわることであって、
 テレビの現場で必要とされる様々な
テクニックが、突きつめればいかに
「超絶技巧」に属するものであるか
ということを学んでいく過程であった。

 私はもともと即興で話すのは得意である。
 いきなりどこかに連れていかれ、
演台に立たされて、
「これからこのテーマで
一時間喋ってください」と
言われても、問題なく話すことが
できると思う。

 英語で言う「sound bite」
(短い時間で端的に何かを言うこと)も
まあ得意である。

 10秒ならそれなりに、
 1分だったらその範囲内で、
なんとかまとめることができると思う。

 ところが、自分が喋っている時にどこを
注視しているかということは、
 何しろ話の内容に関係のないことであるし、
どちらかと言えば無意識に属することなので、
 ちゃらんぽらんで、一向に
 コントロールしようと思ったことが
ない。
 
 だから、『プロフェッショナル』の
最初の頃は(おそらく今でもときどき!)
失敗しては、有吉伸人さんに指摘されていた。

 スタジオの冒頭、住吉美紀さんと二人
で喋る時に、
 「住吉さんに話すようにしてください」
と指導される。

 それで、住吉さんを見て話しているのだが、
終えると、恥ずかしいので、
ついつい目をそらしてしまう。

 画面を通して見ている
視聴者には、
 そのような目の動きが気になって
しょうがないのだと有吉さんは言った。

 「茂木さん、話し終わった後、
住吉さんのことを2、3秒見つめていてください」
と指示された。
 
 これにはまいった。
 小学校の時、友だちのことを見つめていて
吹き出したことがある。

 まじめな顔をして見ているのは、
どうも苦手である。

 それでも、場数を踏んでいるうちに、
だんだんできるようになってくるから
不思議である。

 住吉さんのことを数秒見ていても、
明鏡止水の境地を保てるようになってきた。

 このようなことについては、
住吉さんは天才的な技術を持っていて、
今何カメから撮っているからこう、
と頭の中でシミュレーションして
動くことができる。

 私などは、
 何年修業しても、天才住吉美紀の
境地にはとても及ばないだろうと思う。

 ところで、撮影中などに
「自分の目が、どこをどれくらい見るか」
というような問題を何という言葉で
表すか?

 ボクは、「eye work」という
言葉があるに違いないと突然ひらめいて
しまって、
 「eye workという言葉があるでしょ?」
と言うと、
帰国子女の住吉さんは聞いたことがないという。

 検索したら、「Jonny Deppの強さは、
彼のeye-workとspeechにある」
というページが見つかった。

 しかし、あまり数が引っかかってこないから、
それほど一般的な言葉ではないらしい。

 Jonny Deppや住吉美紀にはかなわない
としても、
 ボクは、自分のアイ・ワークを鍛えるべく、
これからもさらに修業したいと思います。

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2007年1月22日 (月)

The Miracle Apple

The Miracle Apple

The Qualia Journal
22nd January 2007

http://qualiajournal.blogspot.com/ 

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2007年1月19日 (金)

競争原理

プロフェッショナルの収録、
ゲストはマサチューセッツ工科大学教授の
石井裕さん。
 今までに63名のノーベル賞学者を
輩出した理工系大学の名門の
「メディアラボ」で教授をされている。

 専門は、石井さんご自身が考案した
tangible bitsという言葉で
表される、新しいユーザーインターフェイス
の分野。

 しかし、その思索の範囲は、
「ユーザーインターフェイス」という
言葉に収まらない。

 石井さんのお話をうかがうのは
久しぶりで、
 お会いするのが楽しみだった。

 期待に違わず、
 おそらく、今までの収録の中でも
最長不倒ではないかというくらいの
盛り上がり。
 
 これを、一体どのように15分の
トークに編集するのだろう
と思うくらいの内容に満ちていた。

 いつものことだが、放送でカバー
できない部分はNHK出版から
出される本で読んでいただくしかない。

 石井さんのお話で、もっとも
印象に残ったことの一つは、
 日本とアメリカでは、「競争」の
意味合いが違うということ。

 MITでは、教授としてテニュアを
得るためには、
 「それまで誰もやっていなかった
分野を切り開いた」
 パイオニアであることが
最重視される。

 一方、日本では、「競争」とは
往々にしてすでに敷かれたレールの
上での「点数」争いを指す。

 「新しいものが、数値化できる
はずがないじゃないですか」
と石井さん。

 その明確な論理が、ノーベル賞を
輩出する風土へとつながっているのであろう。

 昨今の日本の競争原理とは、
ルールを決めて、
 「プロクルステスのベッド」で
新しい芽生えを切り取る、
 「談合体質」になりかねない。

 MITのような競争だったら、
さわやかだし、
 人類の未来を切り開く。

「独創的なことをやればやるほど、
誰にも理解されない、孤独な境地に入って
いくんですよね。
そうなったら、しめたものだと思うんですよ。」

 石井さんは情熱的に早口で喋る。
 自分の感じていること、考えている
ことを全て言葉にしないではおかない、
というような執念のようなものを感じる。

 もともと、日本は、そして恐らくはイギリス
のようなヨーロッパの伝統社会は、
 暗黙知を大切にすることを前提にしていた。

 何でも明示的に表現するというアメリカ
の流儀は、様々なバックグラウンドの人々が
集まる移民社会ならではのものだったのだろう。

 それが、インターネットの発達により、
世界がスモール・ワールド・ネットワークで
結ばれるようになって、 
 日本人もまた、自らのことを明示的な
言葉で表現せざるを得ない状況になってきた。

 アメリカ一国のことだと思っていたのが、
全世界の様々な文化圏に一様に降りかかる
事態となってきたのである。
 
 石井さんの研究のモチベーションの
一つが、
 お母様を亡くされたという「喪失」
に基づくという話に心を動かされた。

 新生児が「ママ、ママ」というのは、
目の前から母親が消えたことによる
不安を打ち消すためであるという説がある。

 創造とは、その中に深く沈潜して
いけばいくほど人間の本質が露わになる
不可思議な泉である。

スタジオ102前のホワイトボードの収録スケジュール

左から、今回の取材を担当した本間一成ディレクター、
有吉伸人チーフプロデューサー、
山口佐知子フロアディレクター。
打ち合わせ中。

衣裳の上田さんが選んでくれた今日のスーツ。

石井裕さんを囲んでの収録準備

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2007年1月12日 (金)

「身内」だけでやっているようで

クオリア日記から、『プロフェッショナル 仕事の
流儀』に関する記述を独立させることにしたのは、
一年間やってきて、随分いろいろなことを考え、
感じて、本体の日記とは別にまとめて
書いておきたいことが蓄積してきたからである。

 こちらが更新された時には、クオリア日記に
noticeを出すので、連動して読んでくだされば
幸いです。

 2007年になってから最初の収録。
 「仕事術スペシャル」なので、ゲストは
いない。

 ゲストがいないで、VTRの間の
コメントを住吉さんと二人で話して
いくだけのスタジオ。

 周囲のスタッフも、私たちも、何だか「身内」
だけでやっているようで、ほっとする。

 ゲストの方がいらした時には、その人の
最も良いところを引き出そうと4時間全力
疾走するので、スタジオの中に何とも言えない
心地よい緊張感が漂う。

 番組の本領は、もちろんその時に現れるが、
時々ある「スペシャル」の収録は、
ほのぼのとして温かく、何だか得をした
ような気分になるのである。

 収録を終えて、取材を受けている合間に、
チーフプロデューサーの有吉伸人さんと
住吉美紀さんのツーショット写真を
撮った。

 どれにしようかと思ったが、三枚とも
載せることにする。


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2007年1月10日 (水)

『Progress』をかけて、腕立てふせ

年末年始をはさんで、久しぶりの打ち合わせ。
社会情報番組の打ち合わせ室に行くと、なんだか様子がへんである。
はっと気がついた。机の上がきれいになっている。年末年始で大掃除をしたらしい。

住吉美紀さんが、お母様のお土産というメープルシロップ入りチョコレートを持ってきてくださったので、みんなで食べる。
ミルクチョコレートからなくなっていった。

いつものように、VTRを見ながら、どんなコメントを言うかなど議論する。
今回は「仕事術スペシャル」。今まで登場されたゲストの方々を数名紹介し、仕事術を抽出する。

最後のVTRがプレッシャーであった。先日私が水戸に出張した時に、ホテルの部屋で目覚める瞬間や、その後ホテルの部屋着で髪の毛ぼさぼさのまま仕事をしているところなどがとらえられている。

主題歌である『Progress』をかけて、腕立てふせをするシーンまである。

確かに、いつもやっていることなのだが、白日の下にさらされるとヒジョーに恥ずかしい。

しかし、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれなのだろう。

とにもかくにも、今年も『プロフェッショナル 仕事の流儀』がスタートした。

今年は、どんな素敵な方々にお目にかかることができるだろう。

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