2008年6月27日 (金)

失敗ばかりのスポーツだから

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
ヤクルト・スワローズの宮本慎也さんが
ゲストでいらっしゃる。

ヤクルト、オリンピックや
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
の日本代表チームにおいて、
選手として攻守に卓越した技を見せる
だけでなく、
チームを率いる「キャプテン」と
して活躍されてきた宮本さん。

監督や、監督兼選手といった立場ではなく、
同じフィールドに立つプレイヤーとしての
立場でこそ言えることがあると宮本
さんは言う。

同僚のプレイヤーに何かアドヴァイスを
するということは、それだけ自分のプレイに
ついてもきちんとした形で示さなければならない
というプレッシャーを感じるということを
意味する。

そのことが、一選手としての
成長にもつながってきたと宮本さん。

各チームの不動のレギュラー選手が
集う日本代表チームは、純粋な
意味でのチームプレイが
発揮しやすいのだという。

ただ、チームのため、野球の喜びのために戦う。
目の前の、この一戦に勝つために努力する。
野球の原点に還る喜びが、国際試合の
現場にはあるという。

フィールドに立つ時、宮本さんは
ある一点に集中するのではなく、
ぼんやりと全体を眺めるという。
そうすることで、ある一つのことに
注意を向けるのではなく、
すべてのことにまんべんなく関心を向ける。
なにかが起これば、対応できるように
する。

宮本武蔵の『五輪書』に描かれている
ような境地を、宮本さんはスタジアムで
追い求めている。

野球の最大の喜びは何か、という問いに
対して、宮本さんは、
「野球はなかなか成功しない、失敗ばかりの
スポーツだから、うまく行った時に
とても大きな喜びを感じる」と
答えられた。

どんな素晴らしい打者でも
打率4割には達しない。
6割以上は、「失敗」だという
ことになる。

ホームラン打者でも、ホームランを
打つよりも、失敗の方が多い。

それだけ難しいプレイをしている
中で、思ったように決まった時、
言葉では表せないような喜びを
感じるのであろう。

野球というスポーツの奥深さを
かいま見たような思いがした。

宮本慎也さんが登場される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の放送は、
2008年7月8日(火)放送予定です。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年6月20日 (金)

涙の収録

がん看護の専門看護師の田村恵子さんが
ゲストでいらっしゃる。

現代の医学では、もはや手の施しようが
ないと診断された人々。

その残された日々を過ごすホスピスにおける
看護を担当するのが、田村恵子さんの
役割。

冒頭、患者さんたちが満開の桜の花を
楽しむシーンが出てくる。

生きることの本質とは、何なのだろう。

人間は誰でも限りある命なのだけれども、
私たちはそれを直視することなく
生きている。

担当したのは、座間味圭子ディレクター。

忙しいと、ずっと編集室にいて、
シャワーを浴びる暇もない。
ファブリーズを使うので、
「ファブリーズ座間味」と言われる
座間味さん。

その入魂のVTRは、打ち合わせの時から
住吉美紀さんや山口佐知子さんの
涙を誘っていた。


座間味圭子さん

収録の間、時折住吉美紀さんの
方を見ると、住吉さんの目が赤くなっている。

ゲストの田村さんも涙ぐんでいる。

「現場では一生懸命だからだいじょうぶだけど、
こうやって現場を離れて改めて見ると、
もうダメです。」
と田村さん。

プロフェッショナル史上記憶に残る
「涙の収録」となった。

どんな人でも、自分の命が限りあるという
認識から出発して、やがてその運命を
受け入れ、前向きに生きることが
できるようになると田村さん。

アメリカの研究では、
患者さんの不安は、診断が出る直前に
最大になるのだという。

足のつかない深みの中で
もがいていると苦しい。

底がここにあると覚悟が
決まってしまえば、
足を踏ん張り、立つことができる。

人間の命というものは、もともと、
限られたもの。

私たち現代人は、そのような「真実」
から目を逸らして生きている。

田村さんのお仕事のVTRを見ていて
あふれる涙は、悲しみの涙ではなく、
人が生きるということの「真実」
に触れた感動の涙なのであろう。

娘の結婚式を前に、残された日々が
限られていると診断された父。

結婚式まではとても持たないという
医学的な判断。

娘の花嫁姿をせめてひと目見たいという
父の願いを叶えるためには、
結婚式前に記念撮影をしなければならない。

しかし、そのことを告げることは、
本人に自分の病の深刻さを伝える
ことになってしまう。

家族たちはなかなか言い出すことができず、
田村さんが伝える。

何かを悟ったような父の表情。

「がんばりますわ」と一言もらす。

やがて、父親の病室のドアの前で、
花嫁衣装を整える娘の姿があった。

病院に附属しているチャペルで、
父と記念撮影をする。

その二日後、父は還らぬ人となった。


田村恵子さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は、2008年6月24日(火)放送予定です。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年4月30日 (水)

100名の皆様が

早朝、録画しておいた
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
「脳活用術スペシャル」を見た。

放送された番組は、すべて見るように
している。
とりわけ、スタジオの部分は、どのように
編集され、どの質疑応答が使われているかを
確認する。

そして、さまざまに反省し、よりよい
番組にするための資としたいと
思うのだ。

今回は、スタジオにいらして
くださった方々との質疑応答が
たくさん使われていて、
ふりかえってみても活き活きとして
面白かった。

忙しい中おいでいただいた
100名の皆様が、今回の
「ゲスト」だったように思います。

録画を見ながら、ずっとシャドウボクシングを
やったり、投球練習のマネをしたり、
スクワットをしたりした。
45分経ったら、ずいぶんと汗をかいた。

担当ディレクターの本間一成さん、
力のある番組になりましたね!
編集、その他ものもろ、お疲れ
さまでした!

そのまま、ジョギングに出かけた。
気持ちのよい朝。

昨日まで米国にいたはずなのだが、
あっとい間に日本が肌になじんで、
そして新たな闘志がわいてくる。

まだまだがんばれる。
青天井をしっかりと見上げて
努力したい。

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2008年4月25日 (金)

脳活用術スペシャル

一般視聴者の方々から募集した
100名の方をスタジオにお迎えして
「脳活用術スペシャル」の収録。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の「ホーム・グランド」である
102スタジオではなく、
NHKで一番大きな101スタジオにて。

本間一成ディレクターが
私の活動を取材して、渾身の
VTRにまとめてくださった。

博士課程一年の石川哲朗、野澤真一の
二人が大活躍。

VTRを見ながら、記憶力を高める方法、
集中する方法などについて
スタジオにいらした方々と
対話しながら進めていった。

島津製作所にご協力いただき、
光トポグラフィーの実験をした。

京都在住の大学生、板橋昌也さん
が通常の暗記法をやっている時と、
目で読み、手を動かし、音読する
「鶴の恩返し勉強法」を
やっている時の脳活動が
どのように異なるか、リアルタイムで
計測する。

見事な差異が出た。
詳細は、放送をお楽しみに!

スタジオにいらした皆さんと
いきいきとお話しながら、
このような方々が番組を見て下さって
いるのかと、深い感慨があった。

同じ思いを、スタッフの皆が
抱いたように思う。

本当に、素晴らしい方々でした!

実験のセットアップをしている
時など、
住吉美紀さんと二人で
つなぎのお話をした。

「これ面白いから、撮っておこうか
と思いましたよ」とチーフプロデューサーの
有吉伸人さん。

「茂木さんも住吉さんも、ライブで
生きてきた人たちだから、お客さんが
入ると着火して、テンションが上がりますね。
何が受けるかわかっているから、盛り上げるのが
うまい。」

そうかしらん。すみきちと
漫才でもやろうかしらん。

収録を19時30分から始めて、
全てが終了したのは23時30分過ぎ。

心地よい疲労感と充実の思いがあった。

元気の出る、面白い番組になっていると
思います。ぜひご覧ください!

そして、お忙しい中スタジオにおいでいただき、
最後までお付き合いくださった皆様、
本当にありがとうございました。

心から感謝いたします。


『プロフェッショナル 仕事の流儀』
「脳活用術スペシャル」は、
2008年4月29日(火)放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html


スタジオ収録の様子。住吉美紀さんと


脳の話をたっぷり。


光トポグラフィーの実験にご協力いただいた
板橋昌也さん、島津製作所の皆さんと。

(photos by Atsushi Sasaki)

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2008年4月18日 (金)

人を喜ばせるためには

映画監督の堤幸彦さんがゲストで
いらっしゃる。

『金田一少年の事件簿』『トリック』
『ケイゾク』などのヒット作品を
監督し、独特の映像表現から
「革命児」と呼ばれる堤さん。

そんな堤さんの原点には、
ロックンロールへの
強いあこがれがあった。

自分の中に、今でも一人の「反逆児」
がいるのだと堤さんは言う。

しかし、「反逆」の仕方は、時代と
ともに変わる。

現代の風潮の中で、いかに
ロックンロール・スピリットを貫くか。

自分のことを「映像の定食屋」と
称し、お客さんによろこんでもらえるような
映画をつくることに全力を尽くす堤さん
の心の奥底には、貫かれる芯があった。

アシスタント・ディレクター時代、
堤さんは不器用で、先輩たちから
「電信柱」と呼ばれた。

ディレクターに昇進して担当した
番組が、演歌などを素人が歌う
カラオケ番組。

「オレはロックのような格好いい
音楽がやりたいのに」と、堤さんの
中には深い挫折感と屈辱の気持ちがあった。

半年ほど経った頃、現場ではっと気づいた。
会場に来ているお年寄りは、心から
番組を楽しんでいる。
何時間も前から並んで順番をとり、
弾けるような笑顔でステージを見つめている。

「もともと、喜んでいる観客の顔を
見ると、感動してしまうんですよね」
「『ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!』
(原題 A hard day's night)でも、
ビートルズの姿を見てキャーと叫び、
失神してしまう女の子たちの姿を
見ると、いつも泣いてしまうんですよ。」
と堤さん。

ビートルズと演歌は、音楽のあり方こそ
違うけれども、
観客が心から喜んでいるという点では
同じである。

「人を喜ばせる」という表現者としての
原点を堤さんがつかんだ瞬間だった。

生きていく中で蓄積してきた
様々な思いが、シンプルな
原理に着地する時、
人間は人生の大切な拠り所となる
原理を手の内に収めることが
できる。

「人を喜ばせるためには、
まず、自分が喜べるようなことを
しなければならない。」

そう言い切る堤さんの顔に、
表現者としての覚悟を見た。

堤幸彦さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は2008年5月13日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年4月16日 (水)

後悔することの辛さよりも

世界最大級の洋上加工船
Alaska Ocean号でファクトリー・マネジャー
をされている吉田憲一さんがゲスト。

 吉田さんは30歳の時
事故で左腕を失った。

 もう船には乗れないのではないかとも
思った吉田さん。

 しかし、持ち前の負けん気で
現場に復帰した。

 スケソウダラからタラコを
取り、フィレ肉やすり身を作る。

 その船の上の工場で吉田さんは
さまざまな国籍の人たちを率いる。

 吉田さんが何よりも大事にしている
ことは、その人が何をやっているかを
きちんと見ること。

 いわゆる単純な「成果主義」
ではない。
 たとえ、失敗してしまったとしても、
その時にきちんと対応ができていれば、
吉田さんは評価する。

 仕事に向き合う真摯な態度が
一番大切だと吉田さん。
 
 現時点でのスキルが低くても、
態度が出来ている人は必ず伸びて
くる。

 それぞれの人間の「のびしろ」
を吉田さんは見守る。

 全力を尽くさないで、あの時
こうすれば良かったと後悔することの
辛さよりも、やるべきことをやるために、
引き受ける辛さの方がよほど良いと
吉田さん。
 
 自らの生き方からにじみ出る
言葉は強烈なインパクトを持って
胸に沁み込んできた。

 あとで有吉伸人さんにうかがったところ、
副調整室で照明のスタッフが吉田さんの
お話をうかがいながら、ずっと泣いて
いたという。

 吉田さん、すばらしいお話を
ありがとうございました。

 吉田憲一さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、
2008年4月22日(火)に
放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html


 

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2008年4月11日 (金)

人間性の回復

山田日登志さんは、30年間にわたって
数多くの工場を再建してきた
カリスマ。

ベルトコンベアの流れ作業で
組み立てるのではなく、
一人が多くの工程を担当して
製品をつくりあげる「セル生産方式」
を確立した。

山田さんの仕事は、常に
「アウェー」。

長年働いていて、その現場のことは
何でも知っていると思いこんでいる
人たちのところに乗り込む。

人間というものは、習慣化してしまった
ことの問題点はなかなか気づかないものである。
山田さんは、「第一撃」から動く
ショック療法で、意識を変え、
工場を文字通り生き返らせていく。

問題点を指摘しても、最初は
なかなか納得しないのだという。
半信半疑のまま、山田さんの言うように
改善をしてみる。
すると、劇的な効果が表れる。
そのことがわかった瞬間に、
人々の表情が一変するという。

目の色が変わり、自らさまざまな
工夫をするようになる。

納得してから行動するのではなく、
とにかく行動してしまうことで
認知プロセスが変化していく。
そんな山田さんの方法論。

「日本の人たちは、教育の中で、
自分で考えて工夫していいんだ、
と思えなくなってしまっているんですよ」
と山田さん。

山田さんの「ものづくり」の改革は、
「ひとづくり」から始まっている。

山田さんの哲学で深く共鳴したのは、
「人間性の回復」を目指していること。

チャップリンの「モダン・タイムズ」
に出てくるような、オートメーションに
合わせて人間がパーツとなるような
方式では、人間の潜在能力を生かすことは
できない。

自主的に工夫し、発見し、成長していく。
そのような「余裕」を持つことが、
人間らしさの回復にもつながり、
結果として効率が上がり、利益も
増え、経済的にも良い結果をもたらす
のである。

山田さんが指導する「改革」
が成功すると、今までよりも
少ない人で、生産することが
できるようになる。

しかし、リストラはしない。
余った人たちが、新しい商品の企画や
生産といった創造的仕事へと
取り組むことができるようになる。

工場の敷地も、それまでよりも
少ない面積で生産できるようになるが、
そのことが、やはり創造のための
余裕につながる。

効率の追求は、けっしてギスギスした
功利主義ではない。

人間性の回復とあいまった効率性の
追求は、より創造的で自由な
活動のためのスペースを切り開いて
くれるのだ。

収録の打ち上げで親しくお話
させていただく山田さんからは
人間的魅力があふれていて、
さらに多くのことを学ばさせて
いただいた。



(右から)堤田健一郎ディレクター、
山田日登志さん
カメラの地主浩二さんと。

山田さん、ありがとうございました!

山田日登志さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』は
2008年4月15日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年3月28日 (金)

たとえ思いがあっても

フロアディレクター(FD)の
山口佐知子さんとタッグを組んで、
スタジオの収録回りのさまざまを
してきて下さった小寺亜希子さん
(コデリン)が、3月末で
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録の現場をいったんは離れることに
なった。

まだNHK内で会えるし、また戻って
くるかもしれないので、サヨウナラ、
というわけではないが、
番組開始以来、ずっとコデリンが
いたので、とてもさみしい。


ゲストの宮本和敏さんと、小寺亜紀子さん

スタジオで忙しく働く
コデリンを見ながら、いろいろな
ことを思い出していた。

コデリン、本当にありがとう!
心からの感謝を込めて。

ゲストの宮本和敏さんは、東京消防庁の
「ハイパーレスキュー」の隊長。

最新鋭の機器を用いて、通常の
消防隊では対処できないような難しい
現場で人の命を救う。

宮本さんの鍛え上げた身体は、
すばらしい。

腕相撲をしたが、今までに経験した
ことのないような衝撃を受けた。
腕が、まるで鋼鉄の壁のようなのだ。

なすすべもなく負ける。
恐れ入りました。

住吉美紀さん(すみきち)も挑戦。
「うわあー」とすみきちは
叫んでいた。


宮本和敏さんと腕相撲をする住吉美紀さん

宮本さんが身体を鍛練するのは、
「救いたい」という一念から。

たとえ思いがあっても、体力や技量が
ともなわければ果たせない。

そのことを、宮本さんは思い知ってきた。

宮本さんの仕事は、その性質上、
一度始めたらやめられない。
鎮火し、救い、現場が落ち着くまで、
何時間も思い防火服を着て動き回る。

何よりも持久力が必要な仕事。

そして、その結果は「天国」と「地獄」
である。
救えるか、あるいは果たせないか。

被災者の方の生死がかかる。宮本さん
自身も、命を懸ける。

体力を鍛えるのも、技量を上げるのも、
すべては、人の命を救うため。

天国と地獄の間で
闘い続けるその姿勢に感銘を受けた。

いつもの102スタジオとは異なる
104スタジオで、
副調整室がスタジオの入り口横にある。

山本隆之デスク(タカさん)の雄姿を
見るためにフクチョウを訪れた。


副調整室での山本隆之さんの雄姿

収録が終わり、コデリンと記念撮影。
また会う日まで!

外では、桜がもう満開です。


小寺亜紀子さんと。


有吉伸人チーフプロデューサーと小寺亜紀子さん

宮本和敏さんが出演される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』は
2008年4月8日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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2008年3月21日 (金)

独学者

ウェブデザイナーの中村勇吾さんが
ゲストでいらっしゃる。

中村さんは、灘中学校、灘高校から
東京大学工学部を卒業後、
設計会社に勤めていらした。

しかし、自分が夢見ていたような
設計の仕事がなかなかできないまま、
日常に意味を見いだせなくなっていった。

そんな中、「独学」で始めた
ウェブデザインが、その独自性と
魅力で高く評価されるようになる。

「会社を辞める時には、まるで逃げる
ようでした」と中村さん。

いわば「趣味」で始めた
ウェブデザインの仕事が、中村さんを
大きく輝かせることになった。

中村さんの人生の物語は、「独学」
ということの大切さを私たちに
教えてくれる。

「昆虫記」のアンリ・ファーブル、
電磁気学のマイケル・ファラデー、
発明家のトマス・エディソン。

かつて、数々の「独学者」
(autodidact)がすぐれた業績を
残してきた。

入試の難しい学校を卒業した後、
いわばそれと無関係に独学で
ライフワークを見つけた中村さんの
生き方は、昨今の日本の風潮を
考えるにきわめて示唆に富み、
また批評的である。

自分の教育を、他人任せにしては
いけない。学校任せにしてはいけない。

自分で自分を教える。
これが、教育の基本である。

中村さんのウェブはその独創性で
多くの人を驚かせるが、
その「驚き」は二つなければならない
という。

まず一回目の驚きで、「おっ、これは何だ?」
と注意を向けさせる。

関心が高まり、能動的に自らいろいろと
探索する中で、「ああ、そうか」
「こういうメカニズムになっているのか」
と理解する。

ここで、「第二の驚き」が生まれる。

第一の驚きは、いわばプレリュード。
第一の驚きがなければ、第二の驚きもない。
そして、第二の「能動的驚き」こそが、
訪れる者の心を動かし、
「こんなに面白いサイトがあったよ」
という口コミにも通じる。

中村さんのやられている
作業は、いわば、「応用認知科学」
でもある。

本当に面白かった。

柴田周平デスクと、
生田聖子(生田ガンコ)ディレクータが
どのように編集をするか、とても
楽しみである。

中村勇吾さんの登場される
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は、2008年4月1日放送予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

収録後、いつものように日経BPの
渡辺和博さんと、ゲストのお話について
振り返る。

渡辺さんは将棋、武術に造詣が深く、
また日経BP社のウェブ全体の
プロデューサーをされている。

「いやあ、今日は本当にいろいろ
面白かったですね」
と渡辺さん。

ウェブ構築のお仕事をされている
渡辺さんにとって、中村さんのお話は
強く響いたようだ。

渡辺さんがまとめてくださっている
『NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」から』
は、番組の貴重な記録となっている。

渡辺さん、本当にありがとうございます!


渡辺和博さん

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2008年3月19日 (水)

ガンコという名の生き方がある

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせは、VTRを見ながら
ゲストへの質問事項などを確認する。

 打ち合わせ室に入ると、
私と住吉美紀さんのポスターの上に
「ガンコという名の生き方がある」
という文字が貼ってある。

「なんですかあれ、」
「いやあ、生田くんがガンコなものでね」
とデスクの柴田周平さん(しばきち)


「生田ガンコ」こと、生田聖子さん

ガンコな生田ディレクターが取材、編集した
VTRを見ながら、打ち合わせが進む。

番組の挿入曲を作って下さっている
村井秀清さんがいらした。

住吉美紀さん、有吉伸人さんと
一緒に村井さんと写真を撮る。


村井秀清さんと。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』など、
村井秀清さんが作曲したNHKの挿入曲を集めた
CD「Merged Images」が4月15日に発売される。

http://crescente.ocnk.net/product/26/


村井さんの曲はどれも素晴らしいが、
音響効果の三澤恵美子さんは、
なんと、村井さんが送ってきた曲に
何回も「ダメ出し」をしたのだと
言う。

「三澤さんが電話をしてくるんですよ。
本当にすばらしい、とても
とてもいい、なんとも素敵なのですが、
もう少しここのところが
こんな感じになりませんか・・・・」
と村井さん。

細かい音のニュアンスを追求する
三澤さんの「ガンコさ」は素晴らしい。

その三澤さんは、河瀬大作デスクと
にこにこしながら打ち合わせ室を
のぞき込んでいた。


河瀬大作さん、三澤恵美子さん。

ガンコという名の生き方がある。

生田ガンコ。
三澤ガンコ。

ガンコなひとたちが、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
という番組を支えている。


「生田ガンコ」の命名者、柴田周平デスク。
本人もガンコである。
左は山口佐知子さん。

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